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Posted by ミリタリーブログ  at 

2010年08月28日

夏季・熱帯用ユーティリティ(ローカルメイド、民生品等)その3

 こんばんは。ビッキー池田です。今回はアメリカ軍の夏用もしくは熱帯用に作られた民生品のユーティリティシャツを3点紹介します。民生品でそのようなユーティリティが誕生した経緯については熱帯用ユーティリティ(ローカルメイド、民生品等) その1を参照してください。



 第9歩兵師団の写真です。右の人がユーティリティユニフォームを着ていますが、もう1人が着ているTCUと同じようなコットンポプリン生地のものに見えます。官給品のユーティリティユニフォームはコットンサテン生地なので、彼が着ているのはPXなどで販売されていた夏期・熱帯用のコットンポプリン生地ユーティリティユニフォームのようです。2人とも第9歩兵師団のパープルベレーを被っています。第9歩兵師団のパープルベレーには南ベトナム軍式の右たらしのものと米軍式の左たらしの両方があったようですが、彼らが被っているのは右たらしのものです。

 当時の写真において夏期・熱帯用ユーティリティユニフォームと通常のユーティリティユニフォームを見分けるのは困難です。コットンサテン生地のユーティリティユニフォームもPX品が存在していたので、官給品と違う部分があるだけでは夏期・熱帯用かどうかはわかりません。そこで、見分けるためのポイントをいくつか考えてみました。

1.生地がジャングルファティーグのようなコットンポプリン生地かどうか。写真でどのような生地が見分けるのは困難ですが、一緒に写っているジャングルファティーグと比べたりすると、少し分かりやすいかと思います。

2.夏期・熱帯用ポプリン生地のユーティリティユニフォームは基本的に官給品の2ndタイプ型です。少なくとも自分は2ndタイプ型以外は見たことがありません。なので、1stタイプ型や3rdタイプ型であれば、夏期・熱帯用である可能性はかなり低いです。

3.2ndタイプ型であってもローカルメイド品や民生品には官給にある背中側上部にある2本の縫い目が無いものが多いです。

 2.はともかく、1.と3.はかなり判別しにくいポイントです。それでも1.と2.を満たしていれば、夏季・熱帯用と断定できますし、2.と3.を満たしていれば、夏季・熱帯用かどうかは分からなくとも官給品ではないユーティリティユニフォームだと分かります。


 さて、自分のコレクション紹介に入ります。

 ラベルが欠損しており、メーカーなどが不明の2ndタイプ型ポプリン生地ユーティリティシャツですが、裁断やボタンなどがかなりBVD社のものに近いので、BVD社のものかと思います。


 左袖の第1兵站司令部(1st Logistical Command)のSSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)は日本製と言われているタイプのローカルメイド品です。第1兵站司令部SSIの前に一回り大きな丸型のSSIが付いていた形跡があります。U.S. ARMYテープもローカルメイド品で、4等特技兵のシェブロン(Specialist 4 : E4)だけフルカラーカットエッジの官給品です。


 右胸のネームテープもローカルメイド品です。右袖には盾形のSSIの跡が確認できます。


 襟の所にはネームテープの名前と同じ名前がマジックで書きこまれていました。


 もう1着は徽章なしのものです。やはり形状としては官給品の2ndタイプに近いタイプとなります。


 「LOUIS ARONOF. CO.」というBVD社やTROPPER社ほど見かけないメーカーのスタンプが入っています。

 BVD社のものと裁断が似ていますが・・・。

 BVD社のものより薄いボタンで、ボタンの色も茶色っぽい色です。


 以下の記事も参考にどうぞ。
戦後米軍ユーティリティシャツの基本バリエーション
米軍OG-107ユーティリティシャツ2ndタイプ
米軍OG-507ユーティリティシャツ改造品
米軍ユーティリティシャツ(ローカルメイド、民生品等)その1
夏季・熱帯用ユーティリティ(ローカルメイド、民生品等)その2
米軍テストサンプルユーティリティシャツ


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Posted by ビッキー池田  at 00:01Comments(6)衣類

2010年08月21日

米軍M1&M2カービン用マガジンポーチ(15連マガジン用)

 こんばんは。ビッキー池田です。今回はアメリカ軍のM1カービンやM2カービン用のマガジンポーチを紹介します。


 M1カービン(Carbine, Caliber .30, M1)が1941年に採用されると、M1カービンの15連マガジンを収納するためのマガジンポーチも採用されました。そして、M1カービンやその空挺用モデルであるM1A1カービンと共にそのマガジンポーチも第二次世界大戦に投入されます。

 細かい時期は不明ですが、第二次世界大戦時の写真です。2個M1カービンのマガジンポーチをピストルベルトに装着しています。また、M1ヘルメットに少尉階級章のマーキングが入っていますが、このように士官や下士官や工兵などはM1カービンを護身用に使用していました。


 1944年に撮影された写真で、右端の第2機甲師団のSSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)を付けている人の腰に2個M1カービンのマガジンポーチが確認できます。彼らのうち5人ほどがダックハンター迷彩の戦闘服(おそらく2ピースタイプのM43型)を着用しているので、彼らの所属は第2機甲師団隷下の第17工兵大隊です。ヨーロッパ戦線でダックハンター迷彩を使用していた部隊は第30歩兵師団と第2機更新隷下の第17工兵大隊だけとされています。


 オーバーロード作戦の前の空挺部隊でしょうか。中央の人が腰にM1A1カービン用のスキャバード(ケース)を装着していますが、スキャバードの蓋の上にマガジンポーチが付いています。本来M1A1カービンのスキャバードの蓋にマガジンポーチは付いていないので、個人的に縫い付けたもののようです。なお、空挺部隊では通常のM1カービンのマガジンポーチの他にリガーポーチと呼ばれるリガーメイドのポーチにもマガジンを入れていたりました。リガーポーチについてはまたの機会に紹介したいと思います。

 M1カービン用のマガジンポーチにはM1カービンの15発マガジン以外のものも入りました。

 右の人が使っている銃はM1ガーランドですが、マガジンポーチはM1カービン用を使用しています。M1ガーランドのカートリッジを収納するカートリッジベルトの使用が一般的ですが、M1カービン用のマガジンポーチにもM1ガーランドのカートリッジは収納可能のようです。


 この写真のようにM1カービンの15発マガジン用マガジンポーチの初期型はM1カービンやM2カービンのストック部分に装着可能です。


 さて、15連初マガジン用のマガジンポーチの初期型と後期型の違いですが・・・。

 後期型には下の方にダブルフックワイヤー用のアイレット(ハトメ)があるという点が挙げられます。この写真の初期型はカーキ(OD SHADE #3)とOD(OD SHADE #7)の両方の生地が使われており、後期型はODの生地が使われていますが、初期型も後期型もカーキとODの両方のタイプが存在しました。


 背面のベルトループの大きさが初期型と後期型では違い、スナップボタンが初期型にはあります。ベルトループが大きいので、初期型はM1カービンやM2カービンのストックに装着できますが、後期型はベルトループが小さいので、ストックに装着できません。また、スタンプからこの写真の初期型マガジンポーチはAVERYというメーカーが1943年に作ったものと分かります。


 ところどころ裁断も違います。なお、初期型はストック用と呼ばれたりもしますが、ストックにも付けられるというだけで、本来はスナップボタンでピストルベルトに装着するタイプのマガジンポーチです。


 後期型のスタンプです。名称が「POCKET, AMMUNITION MAGAZINE (Caliber .30, M-1, CARBINE OR RIFLE)」となっていることから分かるようにM1カービンのマガジンだけではなく、M1ガーランドのカートリッジも収納できるように作られています。なお、こちらの後期型のマガジンポーチはヤフーオークションに出品中ですので、良かったらご覧ください!


 また、陸軍だけではなくもちろん海軍や海兵隊でもこれらのマガジンポーチは使用されていました。

 1944年のタラワで撮影された写真で陸軍と海軍の両方の隊員が写っています。右端の人がM1カービンのマガジンポーチをピストルベルトに付けていますが、使っているサスペンダーがM1941サスペンダーなので、海軍軍人です。彼が何を着ているのかいまいちよく分かりませんが、N3ユーティリティユニフォーム(海軍用のP41)かコンバットユーティリティユニフォーム(M43と似た海軍用の戦闘服)だと思います。


 1945年6月の沖縄で撮影された第1海兵師団の写真で、15発マガジン用マガジンポーチの初期型をM1カービンのストックに付けています。彼はレギンスを付けずにブーンドッカー(海兵隊用サービスシューズ)を履いているようです。ダックハンターパターンのヘルメットカバーは後期型(スリット入りのタイプ)を装着しています。


 1944年にニューブリテンで撮影された第1海兵師団司令部の写真となります。この写真は本当はもっと大きい写真で、これは右半分だけを抜きだした状態です。右端の隊員が迷彩塗装を施したM1カービン用マガジンポーチを2個携行しています。彼のもう1つのポーチ(コンパスポーチでしょうか?)とレギンスも迷彩塗装のようです。中央の人も同様にレギンスとマガジンポーチ(こちらはM1カービン用ではなくM1911A1用のM1923マガジンポーチのようですが)に迷彩塗装を施しています。また、中央の人は海兵隊用のM1941サスペンダーではなく陸軍用のM1936サスペンダーを使っているようです。

 更に左の人はブーンドッカーとレギンスではなく、パラマリン用のジャンプブーツもしくはレイダー大隊用のレイダーブーツを履いているので、過去にパラマリンかレイダーに所属していたのだと思います。そして、中央の人は海兵隊用の夏季・熱帯用制服を着用していますが、左右の2人は陸軍用の夏季・熱帯用制服(いわゆるチノ)を着ているようです。

 そして、海兵隊には海兵隊独自型のM1カービンの15発マガジン用マガジンポーチもありました。

 この写真は先ほどの写真の左側半分となります。右端の人がピストルベルトにM1942ファーストエイドポーチと共に付けているのが海兵隊の782ギア(782 Gear)のM1カービン用マガジンポーチです。また、彼も右側半分の写真に写っていた2名のように陸軍用の制服を着ています。左の人は海兵隊の夏季・熱帯用の制服のシャツを着ていますが、トラウザーズは陸軍のM43HBTトラウザーズのようです。また、左の人が履いているブーツはパラマリン用ジャンプブーツかレイダーブーツと思われます。真ん中の人が被っているM1ヘルメットのライナーが迷彩塗装で、海兵隊のグローブ&アンカーのマークが取り付けられているのも興味深いです。



 これが782ギアのM1カービンの15発マガジン用マガジンポーチです。


 ほとんど消えていますが、USMCとスタンプが入っています。


 通常の初期型(写真左側)や後期型(写真右側)とは蓋の形が全然違うのが分かります。この形はブリティッシュメイドのM1カービン用マガジンポーチと良く似ているのですが、ブリティッシュメイドの装備はまた別の機会に紹介予定です。


 WW2後も朝鮮戦争やベトナム戦争において、M1カービンの15連マガジン用マガジンポーチの初期型と後期型はM1,M1A1,M2カービンと共に使われ続けました。782ギアのマガジンポーチも使用されていたかもしれませんが、不明です。

 こちらは1951年4月17日に朝鮮半島のイムジン川で撮影された第3歩兵師団の写真です。右の方の2人がM1カービンのマガジンポーチを使用しています。マガジンポーチの下に銃剣(もしくはナイフ)が下げられているので、彼らが使っているのはダブルフックワイヤー用のアイレットがある後期型のマガジンポーチです。M1943コンバットブーツ以外にルセットブーツを履いた人も多く見られます。


 ダックハンター迷彩の帽子の記事でも登場したベトナム戦争時の海軍軍事顧問2人組ですが、今回はメガネの軍事顧問がピストルベルトにM1カービンの15連マガジン用マガジンポーチを装着しています。なお、前回紹介した写真で彼はサンダル履きでしたが、今回はちゃんとコンバットブーツを履いているようです。その代わり上半身裸になっていますが・・・。左の軍事顧問はM1A1カービンを使っているのに対して、メガネの軍事顧問はフラッシュハイダー付きのM1もしくはM2カービンを使用しています。


 MIKE FORCEのモンタニヤードでしょうか?左端の人がM1カービンの15連マガジン用マガジンポーチを携行しています。蓋に.30カービン弾のクリップを挟んでいるようです。右奥の人はM1910エントレンチングツール(Tボーン)を携行しているように見えます。


 彼らもMIKE FORCE所属でしょうか?M1もしくはM2カービンのストックに初期型の15連マガジン用マガジンポーチを装着しています。


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Posted by ビッキー池田  at 00:03Comments(5)ポーチ類

2010年08月14日

米軍M1941ウールニットキャップ(ジープキャップ)

 こんばんは。ビッキー池田です。今回は第二次世界大戦時の米軍で使用されていたアメリカ軍のM1941(M41)ウールニットキャップを紹介します。


 M1941ウールニットキャップ(CAP, WOOL, KNIT, M1941)は1942年2月に採用された防寒用の帽子です。ビーニーキャップ(Beanie Cap)と当時は呼ばれていました。ジープキャップという呼び方がよく知られていますが、これは第二次世界大戦後にサープラス業者が名付けたもののようです。M1943フィールドジャケットなどと共にM1943フィールドキャップ(Cap, Field, Cotton, M1943)が採用されたことにより、ウールニットキャップは限定採用となりますが、WW2を通して使用例が見られます。なお、M1941ウールニットトーク(TOQUE, WOOL, KNIT M1941)というバラクラバが1942年3月に採用されましたが、こちらもM1943の登場でウールニットキャップと共に限定採用品となりました。


 防寒用ということでヨーロッパ戦線での使用が主ですが、太平洋戦線でも使用例がありました。

 正確な時期は不明ですが、HBT(ヘリンボーンツイル)作業服ではなくアメリカ陸軍のチノ(夏季・熱帯用のカーキ色制服)を着用しているので、太平洋戦争の比較的初期に米陸軍が撮った記念写真だと思います。右から2番目の上半身裸の隊員がウールニットキャップを被っていますが、頭だけ暑そうです。中央の3名が被っているのはHBTハットで、左端の隊員のはM1941(もしくはM1943)HBTキャップと思われます。また、画像を縮小したら見えなくなりましたが、右から3番目の人が被っているギャリソンキャップのパイピングが砲兵用の赤のようなので、彼らは砲兵隊のようです。砲兵部隊なのでHBTの作業服がまだ支給されていないだけで、本当はそれほど初期の写真ではないのかもしれません。


 こちらも太平洋戦争初期の米陸軍と思われます。左端の人がウールニットキャップを被っており、彼は士官用のチノと士官用のトラウザーズベルトを使っているので、士官です。HBTハットやM1ヘルメットのライナーを被っている人もいます。


 とはいえ、やはり欧州戦線での使用の方が多く確認できます。


 もともとヘルメットの下に着用することが想定されていた帽子なので、ヘルメットの下に被った例も多いです。

 写真右の第84歩兵師団の衛生兵がM1ヘルメットの下にウールニットキャップを被っているようです。はっきりと見えないので、もしかすると他の種類のキャップ帽かもしれませんが。彼が着ているのはM43フィールドジャケットでしょうか。左の装甲車はM8グレイハウンドのようです。正確な時期は不明ですが、第84歩兵師団がヨーロッパで活動していた時期と背景が冬であることを考えると、1944年末から1945年初頭のドイツで撮影された写真と思われます。



 整備兵たちがP-47サンダーボルトに弾を入れています。このようにAAF(United States Army Air Forces : アメリカ陸軍航空軍)でも使用例がありました。写真左の人が被っています。しかし、AAFでは防寒用のニット帽としてA-4ウィンターキャップが採用されていたためか、それほどウールニットキャップは見かけません。写真中央の人はA-4を被っているようです。


 なお、これらの写真は全て米陸軍の写真で、海軍や海兵隊での使用例があったかは分かりませんが、陸軍の装備を多数使用していた海兵隊であれば、使っていても不思議はないと思います。



 それでは、自分のコレクションのM1941ウールニットキャップを紹介します。


 ニット帽につばを付けたようなデザインです。



 防寒性のため、縁の折り返し部分を下ろして耳を覆うこともできます。


 ラベルにはサイズだけ表記されており、名称などは書かれていません。「""」の表記が無く、「M」や「L」とだけ書いているラベルが付いているものも確認されています。



 ちなみにヤフーオークションでも1個実物ウールニットキャップを出品中ですので、良かったらご覧下さい!!
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f95408757


 戦後も現在までジープキャップという名称で同様の形のつば付きニット帽が民間で生産されていますが、米軍で使用されていたかどうかは分かりません。しかし、米軍は様々な民生品のニット帽やバラクラバを使用してきたので、民生品のジープキャップが使用されていても不思議は無いと思います。



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Posted by ビッキー池田  at 00:01Comments(0)帽子類

2010年08月07日

米軍M1936ピストルベルトのバリエーション(特殊タイプ)

 こんばんは。ビッキー池田です。今回はアメリカ軍のM1936ピストルベルトのバリエーションで特殊なタイプを紹介します。M1936ピストルベルトの特殊なバリエーションとしてはブリティッシュメイド品もあげられますが、ブリティッシュメイドの装備品はまた別の機会に紹介予定です。



 こちらの写真の1番上のものが一般的なM1936ピストルベルトで、他の3つがあまり見かけない特殊なタイプです。ちなみに一般的なM1936ピストルベルトにも色やバックルが違うバリエーションが複数ありますが、そちらについてはまたの機会に紹介しようと思います。なお、この写真で1番上のM1936ピストルベルトは色がOD(OD SHADE #7)で、鋳造バックルを使用したものです。


 それでは、それぞれの特徴を見ていきます。

 このタイプはどこが特徴かといいますと・・・。


 普通のM1936ピストルベルト(写真上側)とは生地が違います。一般的なM1936ピストルベルトの生地はM1923ピストルベルトや初期のM1956ピストルベルトのように横折りの生地ですが、写真下側のタイプはそうではありません。詳しくは分かりませんが、M1936ピストルベルト以外の装備品に使用されていたカーキ(OD SHADE #3)の生地もしくは英軍のP37装備の生地を使っているものと思われます。よって、横折りの生地が足りなくてあり合わせの生地で作られたものか、ブリティッシュメイド品の一種ということになります。今回紹介のタイプは鋳造バックルのモデルですが、もしかするとワイヤーバックルのものもあるかもしれません。

 ちなみにこのタイプはあるベトナム戦争軍装ガイド本で軍事顧問装備を再現した写真において使用されています。しかし、実際にベトナム戦争でこのタイプのM1936ピストルベルトが使用されていたわけではなく、たまたま撮影に使われたM1936ピストルベルトがこのタイプだったのではないでしょうか。



 こちらのタイプはM1961ピストルベルトのバリエーションとする説もあるタイプです。しかしながら、この写真のもののようにこのタイプにはカーキ色のものがあることや第二次世界大戦中の年号のスタンプが入ったものが確認されているので、このタイプはM1936ピストルベルトのバリエーションと考えるべきかと思います、


 海兵隊のM1961ピストルベルト(写真下側)のようにスナップボタンが多数ついていますが、スナップボタンの種類とスナップボタンが付いている間隔がM1961とは違います。


 一般的なM1936ピストルベルト(写真上側)とスナップボタンの種類は同じで、使用されているバックルや裁断などスナップボタンの数以外の特徴は一般的なM1936ピストルベルトと同じです。


 最後のタイプはもはやM1936ピストルベルトと呼んで良いかどうか微妙な代物ですが・・・。

 スナップボタンが無く、アイレット(ハトメ)が2列しかありません。しかも上の段のハトメの位置と下の段のハトメの位置が少しずつずれています。



 一般的なM1936ピストルベルト(写真上側)との共通点の方が少ないくらいです。バックルの種類が違いますが、おそらくM1923ピストルベルトのバックルと同型だと思います。




 ベルト部分の端っこの作りも違うほか、サイズ調整のためにアイレットに引っ掛けるフックもありません。


 生地は今回最初に紹介したもの(写真上側)と同じM1936ピストルベルト以外の装備品に使用されていたカーキの生地もしくは英軍のP37装備の生地です。このタイプはブリティッシュメイドの1種とも言われていますが、色々と簡素な作りなので量産用の簡略品の試作型という説もあります。


 スタンプの位置もかわっています。通常はUSのスタンプはベルト表側のスナップボタンの近くにあり、年号やメーカーのスタンプはベルト裏側にありますが、こちらのものは両方がベルト表側の中央部(バックルを前であわせた場合真後ろにくる位置)にありました。


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Posted by ビッキー池田  at 00:16Comments(4)ベルト&サスペンダー