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Posted by ミリタリーブログ  at 

2011年01月15日

米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット

 遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。ビッキー池田です。2ヶ月近くこちらのブログを更新できず、誠に申し訳ありませんでした。不定期更新となるかもしれませんが、更新を再開しようと思います。今年の第1回目の更新ですが、今回はずっと自分が探し求めていたアメリカ軍のグリーンベレー隊員着用のヌードルパターン迷彩のジャケットについてです。


 ヌードルパターンという迷彩はあまり聞きなれないという方もいらっしゃるかと思います。ヌードルパターン迷彩は大韓民国陸軍の空輸特戦団(特戦司)などで使われていた迷彩で、空輸特戦団迷彩という呼び方のほうが一般的かもしれません。韓国軍でも機甲部隊、空軍特殊部隊、郷土予備軍で色合いなどの違うものが使われていましたし、エルサルバドル軍などでも採用されていたので、自分はこれらをまとめてヌードルパターンと呼んでいます。空輸特戦団では1964年頃に採用され、1980年代まで使用されていました。

 この写真の空輸特戦団の隊員が着ているのがヌードルパターン迷彩です。第8軍のSSI付きのユーティリティシャツを着た米軍軍人と第7特殊部隊群のベレーフラッシュが付いたグリーンベレー隊員が一緒にいます。当時の第7特殊部隊群は1960年代から1970年代初期はラオスなどの東南アジア、それ以降は中南米で活動していたので、韓国へ視察に来たときの写真ではないでしょうか。なお、ベトナムに派遣された空輸特戦団でも一部ヌードルパターンは使用されていました。

 先ほどの写真で空輸特戦団の隊員とグリーンベレーの隊員が一緒に写っていることからも分かるように、同盟国の特殊部隊ということで、空輸特戦団とグリーンベレーは大変深い関係にありました。そして、韓国にはグリーンベレー第1特殊部隊群(1st Special Force Group)の韓国分遣隊(Korea Detachment)が駐留していたのです。韓国分遣隊は第39特殊部隊分遣隊(39th Special Forces Detachment)とも呼ばれます。そして、ベトナム戦争で軍事顧問たちが南ベトナム軍の迷彩服を着ていたのと同じように・・・。

 韓国分遣隊のグリーンベレー隊員もヌードルパターンの戦闘服を着ている場合がありました!空輸特戦団のヌードルパターンの戦闘服には色々なバリエーションがありますが、この写真で使われているのは1960年代の4ポケットのタイプのようです。グリーンベレー隊員の右胸に韓国陸軍の基礎降下章がついています。


 この写真左の人はグリーンベレー隊員ですが、米軍のマスターの降下章を左ではなく右胸につけています。サイズの関係で分かりにくくなりましたが、ネームテープには「HENRICKSON」と書いてある下に韓国語でも名前を書いているようです。また、右胸ポケットのフラップに韓国軍の中士(米軍の二等軍曹)の階級章をつけています。


 スリーピングシャツの記事でもご紹介しましたが、1970年代に撮影された写真で、スリーピングシャツとヌードルパターンのパンツという興味深い組み合わせです。


 写真右のグリーンベレー一等軍曹は右胸ポケットに空輸特戦団第11旅団のパッチを付けています。このようにグリーンベレー隊員も空輸特戦団の旅団パッチをつけることがありました。また、彼は韓国では降下訓練を受けていないのか、右胸には韓国軍の降下章は付いておらず、フィリピン軍のものと思われる降下章が付いています。左胸にCIB(Combat Infantry Badge:戦闘歩兵章)が付いていることから、ベトナム戦争にも参加したようなので、少なくともベトナム、フィリピン、韓国の3国で彼は勤務したようです。なお、写真左の韓国軍少領(米軍の少佐)階級章が1980年以降のタイプなので、1980年代の写真と分かります。この少領のポケットパッチは空輸特戦団司令部のものです。

 また、エルサルバドル軍もヌードルパターンを採用していたと書きましたが、エルサルバドルには第7特殊部隊群のグリーンベレー隊員が派遣されていたので、彼らもヌードルパターンを着ていた可能性があります。


 さて、今回自分もグリーンベレーの韓国分遣隊で使用されていたヌードルパターン迷彩のジャケットを入手したのですが、当時の写真では見たことがないタイプです。


 何と米軍のジャングルファティーグ型です!先に載せた写真でも4ポケットのヌードルパターン迷彩のジャケットは使用されていましたが、ジャングルファティーグ型ではありませんでした。韓国軍官給品のジャングルファティーグ型の戦闘服は存在しないので、これはローカルメイド品やテーラーメイド品だと分かります。なお、グリーンベレーの韓国分遣隊や韓国軍でもジャングルファティーグやERDLリーフは使用されていました。



 過去に掲載したジャングルファティーグ風のローカルメイドのジャケットの記事でご紹介した第1通信旅団(1st Signal Brigade)のジャケットと同じく、肩エポレットがあり、3rdタイプ以降のユーティリティシャツのような袖口になっています。また、使われているボタンは米軍のジャングルファティーグなどのものと近い形ですが、色が黒色です。


 襟のところにラベルが付いていますが、サイズ表記のみでテーラーの名前などはありません。韓国製のテーラーメイドの被服は結構あるのですが、どういうわけかテーラーの名前が入ったラベル付きのものは比較的少ないです。


 左肩にグリーンベレーのSSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)、左胸にマスターの降下章、ナイロン製U.S. ARMYテープが付いています。


 もっとも注目すべき徽章はこの韓国陸軍基礎降下章で、サブデュードタイプです。韓国陸軍官給品の徽章でサブデュードタイプが登場したのは1992年頃からで、それまではフルカラーでした。よって、この降下章はローカルメイド品と分かります。なお、ネームテープはナイロン製テープにスタンプを押したものです。

 今回ご紹介したジャケットは生地も韓国軍官給品のものとは違うもので、結構厚手です。BDUが支給される以前の1970年代から1980年代に、「迷彩服を着たいけれどERDLリーフやLCリーフは薄手だし、韓国軍のヌードルパターンはポケット配置が好きじゃないし・・・」というような考えでグリーンベレー隊員がオーダーしたものと思われます。(単にサイズの問題でオーダーしたのかもしれませんが)

 なお、ユーティリティユニフォーム、ERDLリーフ、BDUなどの米軍官給品の戦闘服にも空輸特戦団の旅団パッチや韓国軍の降下章をつけた例も見られます。いずれこれらもご紹介できると良いですね。



 また、グリーンベレー隊員着用ではありませんが、現在ヤフーオークションにおいて空輸特戦団司令部のパッチ付きのヌードルパターンのジャケットを出品中です!




 以下の記事も参考にどうぞ。
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ


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Posted by ビッキー池田  at 00:01Comments(5)衣類