2010年02月02日

ベトナム戦争時の米軍におけるステンガン

 こんばんは。ビッキー池田です。今回はベトナム戦争時の米軍におけるステンガンの使用例について考えてみます。


 ステンガンは言うまでも無く、第二次世界大戦時にイギリスで開発されたサブマシンガンです。第二次世界大戦時にはイギリス軍以外にカナダ軍などの英連邦諸国の軍隊やフランス軍にも使用されました。戦後もイギリス軍はしばらくmk.IIをL50、mk.IIIをL51、mk.VをL52として使用し、イスラエル軍は中東戦争で、インド軍は印パ戦争でステンガンを使用したのが知られています。その他にも様々な国でステンガンは使用されました。


 さて、ベトナム戦争で米軍が使用したステンガンはステンmk.IIとステンmk.IISと思われ、2タイプのストックのものが使用されたようです。ステンmk.IIはステンSMGの初期生産型であるステンmk.Iの改良型で、WWII中のステンガンの最多生産モデルでした。そして、ステンmk.IISはステンmk.IIのサイレンサー(消音器)付きモデルです。ベトナム戦争で米軍が使ったものはアメリカ製のライセンス生産品とも言われていますが、詳細は分かりません。



 なお第二次世界大戦時にも米軍でステンガンが使われたと聞きますが、知識不足なので今回はベトナム戦争における米軍での使用例に絞り込みます。



 トミーガンやグリースガンと一緒に写っているので、ベトナム戦争初期での使用かと思いきや・・・。



 グリーンリーフパターンの戦闘服やM1967マガジンポーチと一緒に使われているので、結構遅い時期まで使われていたようです。おそらく消音器がなかなか高性能だったために長期に渡って使用されたのだと思います。写真の詳細は不明ですが、ステンSMGを使用したのはグリーンベレーとレンジャーが主なはずなので、そのどちらかではないでしょうか。



 ベレーも服もタイガーストライプ(Tadpole Sparse Patternと思われます)なベトナム人の2人組みがステンmk.IISを使用しています。この写真も詳細は不明ですが、MACV-SOGに訓練されたモンタニヤードではないでしょうか。


 次の3枚の写真はMACV-SOGのCCN(Command & Control North)所属のグリーンベレー隊員です。同じときに撮られた写真だと思いますが、それぞれ装備が興味深いので3枚ともあげておきます。

 第5特殊部隊群のベレーフラッシュ付きのグリーンベレーを被り、ジャングルファティーグにポケットハンガーパッチを取り付けています。ポケットハンガーパッチが何か確認できませんが、やはりCCN関係のものかと思います。



 この人が着ている服は1-0ジャケットとジャングルファティーグのトラウザーズと思われます。1-0(ONE ZERO)とはMACV-SOGの偵察チームの指揮官のことで、1-0ジャケットは1-0に使用された黒いジャケットです。この服は生地がこすれる音がうるさいそうで、実戦ではほとんど使用されず基地の中などで着用されました。



 そして、この人はタイガーストライプパターンの服を着て、茶革製のローカルメイド品と思われるホルスターを装着しています。


 なお、ベトナム戦争時に米軍以外でステンSMGが使われたかという点については知識不足でよく分かりませんが、インドシナ戦争では北ベトナム製のステンSMGのコピーが使用されていたようです。よって、北ベトナム軍やベトコンでの使用があったかもしれません。また、第二次世界大戦でオーストラリア軍はステンSMG及びオーストラリア製のオーステンSMGを使用していたので、ベトナム戦争でも使ったかもしれませんが、未確認です。ただ、オーウェンSMGやスターリングSMGを当時オーストラリア軍は使用していたので、わざわざステンSMGを使う必要はなかったのではないでしょうか。


 今回の記事はコレクターのM.C.YASUDA氏の助言により書くことができました。ご協力ありがとうございます。それでは、最後にステンmk.IIとステンmk.IISの基本スペックです。

ステンmk.II
全長:895mm
銃身長:196mm
重量:3260g
使用弾薬:9mm×19mm
マガジン装弾数:32発
作動方式:シンプル・ブローバック方式、オープン・ボルト撃発
発射速度:550発/分
銃口初速:365m/秒
有効射程:150m~200m

ステンmk.IIS
全長:900mm
銃身長:90mm
重量:3480g
使用弾薬:9mm×19mm
マガジン装弾数:32発
作動方式:シンプル・ブローバック方式
発射速度:450発/分
有効射程:50m~100m



 以下の記事も参考にどうぞ。
ベトナム戦争時の米軍におけるトンプソンSMG
米軍及び南ベトナム軍とUZI


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Posted by ビッキー池田  at 00:04 │Comments(5)銃関係

この記事へのコメント
画像6は裏焼きじゃないですか?
Posted by イサカ at 2010年04月06日 10:49
 タイガーストライプ着たモンタニヤード2人組の写真ですよね?仰るとおりで裏焼きのようです。マガジンの位置とか逆ですものね。
Posted by ビッキー池田ビッキー池田 at 2010年04月06日 13:01
サイレンサー 機能付きのステンだと思います。
消音機能で 多数の敵 又は、狙撃するには 最適だと思います
 ベトナム初期には ジャングル戦に併せて 取り回しの効く銃器が求められて、いのたので 多数のww2の武器は使用になっています。
 オーストラリア軍並びに 特殊部隊がそれに価いたします。
Posted by びっと at 2010年06月23日 02:08
 多数の第二次世界大戦時の銃がベトナム戦争で使われていますね。オーストラリア軍の使用例は見たことがないので、見てみたいです。

 日本語が不得意なようでしたら、英語でのコメントも構いませんよ。

 If you are weak in Japanese, contributions in English are welcome. Thank you for coming.
Posted by ビッキー池田ビッキー池田 at 2010年06月23日 23:52
はじめまして。ミリブロやってたんですね、よろしくお願いします。

ステンガン大好きなのでこの記事の情報はありがたいです。

資料が揃ったらグリースガンの特集もやってくれたら嬉しいです。確かナム戦ではヘリコプターパイロットが使用してたんでしたっけ?
Posted by エルダム at 2012年02月05日 20:38
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