2010年05月17日
タイガーストライプパターンの帽子(ローカルメイド、民生品等)
こんばんは。ビッキー池田です。今回はローカルメイド品のタイガーストライプパターンの帽子について紹介します。
最初に登場したタイガーストライプパターンの迷彩は1950年代末に南ベトナム軍海兵隊(Thủy Quân Lục Chiến:TQLC)に採用されたVMXパターン(Vietnamese Marine Corps Experimental Pattern)で、フランス軍のリザード迷彩を参考に作られたと言われています。このVMXパターン以降も南ベトナム軍海兵隊では何種類かのタイガーストライプパターンが採用されます。そして、それらのタイガーストライプパターンの戦闘服や八角帽が南ベトナム軍海兵隊では使用されていました。
1964年に撮影された写真で、南ベトナム軍海兵隊の通信兵と軍事顧問がタイガーストライプパターンの戦闘服を着用し、軍事顧問はタイガーストライプパターンの八角帽も使用しています。年代的に彼らの服とキャップ帽はおそらくVMSパターン(Vietnamese Marine Corps Sprse Pattern)です。軍事顧問は戦闘服に大尉階級章、南ベトナム軍海兵隊のSSI、ローカルメイドのネームテープを取り付けています。また、この軍事顧問はローカルメイド品と思われる変わったサスペンダーを使用しているようです。
そして、VMSパターンをもとにタイガーストライプパターンの様々なバリエーションが登場していったようです。それらのタイガーストライプパターンの生地を使用した様々なタイプの帽子が作られるようになりました。中でも使用例が多いのはブーニーハットやブッシュハットなどと呼ばれるハット類です。
右のマイクフォース隊員がタイガーストライプパターンのサンハットを被っています。彼はタイガーストライプパターンのジャケットにマイクフォースのC-3(III Corps)のSSIやRangerタブ、ネームテープなどを縫い付けてフルパッチにしているようです。
これもMIKE FORCEの写真で、この隊員はブッシュハットにMIKE FORCEのC-3(III Corps)の部隊章を付けています。何も上着を着ずにそのままM69ボディアーマーを着ていたり、テープで連結されたM1カービンのマガジンなどが印象的です。
LRRPもしくはRANGER部隊でしょうか。右の隊員がタイガーストライプパターンのブーニーハットを被っています。彼はバンダリアをチェストリグのような感じで装着しているようです。
ハット類に次いで使用例が多いのはベレー帽ではないでしょうか。
迷彩のベレー帽といえば、SEALsを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。この写真も1969年5月にBinh Thuyで撮影されたSEALsの写真です。
タイガーストライプパターンのベレー帽を使用していたのはSEALsだけではありません。この写真の人物はLRRPもしくはRANGER部隊の隊員と思われます。革製のガンベルトを装着し、それにカラビナを取り付けて、そのカラビナに1QTプラスチックキャンティーンを引っ掛けているようです。彼が着ているタイガーストライプパターンの戦闘服はTadpole Dense PatternもしくはTad pole Sparse Patternかと思います。
さて、自分のコレクション紹介に入ります。実は個人的に自分はタイガーストライプ迷彩よりもダックハンター迷彩やリーフ迷彩が好きですし、タイガーストライプ迷彩のアイテムの多くは高額なので、タイガーストライプ迷彩関係のコレクションは大変少なかったりします。タイガーストライプ迷彩の帽子のコレクションは現状では2個だけです。
1つ目のコレクションはジャングルハットです。擬装用ループの付いたタイプとなります。
迷彩パターンはTadpole Dense Patternです。タッドポール(テッドポール)系のパターンはジョン・ウェイン系と南ベトナム軍海兵隊系のものに次いで人気のあるタイガーストライプ迷彩かと思います。このブーニーハットは部分によって生地の色落ち具合が大きく違うので、複数の生地をあわせて1つのブーニーハットにしたのかもしれません。
もう1つのコレクションは残念ながら、ベトナム戦争時のものではありません。とはいっても、TRU-SPECなどの民生品でもないです。
1970年代から1980年代頃のものと思われるナイトタイガーやシャドウタイガーと呼ばれるタイ軍のタイガーストライプ迷彩の生地を使用したブーニーハットです。ナイトタイガーにはリップストップ生地のものが多いようですが、こちらはノンリップ生地となります。なお、ナイトタイガーはタイ軍のほかにミャンマーのカレン民族同盟とその傭兵たちにも使用されていたようです。
ナイトタイガーはベトナム戦争時のThai Tadpole patternから発展した迷彩パターンとされています。なお、Thai Tadpole patternはベトナム戦争時タイ王国に駐留していた米陸軍グリーンベレーの第46特殊部隊中隊の隊員たちにも使用されていました。ナイトタイガーの米軍での使用例は確認したことがありませんが、沖縄のサープラスショップで販売されたいたことがあるので、もしかすると個人的に入手して使用していた米兵もいたのかもしれません。
タイ軍の軍装品についての知識は乏しいのですが、おそらくこのブーニーハットはタイ軍の官給品ではないと思います。一見偽装用ループがついているようですが、ほとんど隙間なく縫い付けられているので、これは偽装用ループとしての意味をなしません。そして、最初から付いていたのか、後から取り付けられたのかは分かりませんが、用途不明の金属リングが取り付けられています。
内側の生地は一部モスキートネットのようなメッシュ素材になっており、顎紐も付属しています。内張りにメッシュ素材を使ったブーニーハットはあまりないのではないでしょうか。
今回の記事はコレクターのM.C.YASUDA氏の助言により書くことができました。ご協力ありがとうございます。
以下の記事も参考にどうぞ。
OD色の帽子(ローカルメイド、民生品等)
ダックハンターパターンの帽子(ローカルメイド、民生品等)
リーフパターンの帽子(ローカルメイド、民生品等)
最初に登場したタイガーストライプパターンの迷彩は1950年代末に南ベトナム軍海兵隊(Thủy Quân Lục Chiến:TQLC)に採用されたVMXパターン(Vietnamese Marine Corps Experimental Pattern)で、フランス軍のリザード迷彩を参考に作られたと言われています。このVMXパターン以降も南ベトナム軍海兵隊では何種類かのタイガーストライプパターンが採用されます。そして、それらのタイガーストライプパターンの戦闘服や八角帽が南ベトナム軍海兵隊では使用されていました。
1964年に撮影された写真で、南ベトナム軍海兵隊の通信兵と軍事顧問がタイガーストライプパターンの戦闘服を着用し、軍事顧問はタイガーストライプパターンの八角帽も使用しています。年代的に彼らの服とキャップ帽はおそらくVMSパターン(Vietnamese Marine Corps Sprse Pattern)です。軍事顧問は戦闘服に大尉階級章、南ベトナム軍海兵隊のSSI、ローカルメイドのネームテープを取り付けています。また、この軍事顧問はローカルメイド品と思われる変わったサスペンダーを使用しているようです。
そして、VMSパターンをもとにタイガーストライプパターンの様々なバリエーションが登場していったようです。それらのタイガーストライプパターンの生地を使用した様々なタイプの帽子が作られるようになりました。中でも使用例が多いのはブーニーハットやブッシュハットなどと呼ばれるハット類です。
右のマイクフォース隊員がタイガーストライプパターンのサンハットを被っています。彼はタイガーストライプパターンのジャケットにマイクフォースのC-3(III Corps)のSSIやRangerタブ、ネームテープなどを縫い付けてフルパッチにしているようです。
これもMIKE FORCEの写真で、この隊員はブッシュハットにMIKE FORCEのC-3(III Corps)の部隊章を付けています。何も上着を着ずにそのままM69ボディアーマーを着ていたり、テープで連結されたM1カービンのマガジンなどが印象的です。
LRRPもしくはRANGER部隊でしょうか。右の隊員がタイガーストライプパターンのブーニーハットを被っています。彼はバンダリアをチェストリグのような感じで装着しているようです。
ハット類に次いで使用例が多いのはベレー帽ではないでしょうか。
迷彩のベレー帽といえば、SEALsを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。この写真も1969年5月にBinh Thuyで撮影されたSEALsの写真です。
タイガーストライプパターンのベレー帽を使用していたのはSEALsだけではありません。この写真の人物はLRRPもしくはRANGER部隊の隊員と思われます。革製のガンベルトを装着し、それにカラビナを取り付けて、そのカラビナに1QTプラスチックキャンティーンを引っ掛けているようです。彼が着ているタイガーストライプパターンの戦闘服はTadpole Dense PatternもしくはTad pole Sparse Patternかと思います。
さて、自分のコレクション紹介に入ります。実は個人的に自分はタイガーストライプ迷彩よりもダックハンター迷彩やリーフ迷彩が好きですし、タイガーストライプ迷彩のアイテムの多くは高額なので、タイガーストライプ迷彩関係のコレクションは大変少なかったりします。タイガーストライプ迷彩の帽子のコレクションは現状では2個だけです。
1つ目のコレクションはジャングルハットです。擬装用ループの付いたタイプとなります。
迷彩パターンはTadpole Dense Patternです。タッドポール(テッドポール)系のパターンはジョン・ウェイン系と南ベトナム軍海兵隊系のものに次いで人気のあるタイガーストライプ迷彩かと思います。このブーニーハットは部分によって生地の色落ち具合が大きく違うので、複数の生地をあわせて1つのブーニーハットにしたのかもしれません。
もう1つのコレクションは残念ながら、ベトナム戦争時のものではありません。とはいっても、TRU-SPECなどの民生品でもないです。
1970年代から1980年代頃のものと思われるナイトタイガーやシャドウタイガーと呼ばれるタイ軍のタイガーストライプ迷彩の生地を使用したブーニーハットです。ナイトタイガーにはリップストップ生地のものが多いようですが、こちらはノンリップ生地となります。なお、ナイトタイガーはタイ軍のほかにミャンマーのカレン民族同盟とその傭兵たちにも使用されていたようです。
ナイトタイガーはベトナム戦争時のThai Tadpole patternから発展した迷彩パターンとされています。なお、Thai Tadpole patternはベトナム戦争時タイ王国に駐留していた米陸軍グリーンベレーの第46特殊部隊中隊の隊員たちにも使用されていました。ナイトタイガーの米軍での使用例は確認したことがありませんが、沖縄のサープラスショップで販売されたいたことがあるので、もしかすると個人的に入手して使用していた米兵もいたのかもしれません。
タイ軍の軍装品についての知識は乏しいのですが、おそらくこのブーニーハットはタイ軍の官給品ではないと思います。一見偽装用ループがついているようですが、ほとんど隙間なく縫い付けられているので、これは偽装用ループとしての意味をなしません。そして、最初から付いていたのか、後から取り付けられたのかは分かりませんが、用途不明の金属リングが取り付けられています。
内側の生地は一部モスキートネットのようなメッシュ素材になっており、顎紐も付属しています。内張りにメッシュ素材を使ったブーニーハットはあまりないのではないでしょうか。
今回の記事はコレクターのM.C.YASUDA氏の助言により書くことができました。ご協力ありがとうございます。
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米陸軍特殊部隊群用グリーンベレー(ベトナム戦争時)
南ベトナム軍レンジャー部隊のマルーンベレー
米軍M1941ウールニットキャップ(ジープキャップ)
リーフパターンの帽子(ローカルメイド、民生品等)その2
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ブーニーハットの実物はもちろん見たことありません・・・・・今回の記事が初めてです!!1番目のタイプはたしかに生地の色落ちが差が激しいですねー!!色々な生地を張り合わせたのは間違いないでしょうねー!!
タイガーストライプの組み合わせってたしか米軍軍装ガイドには服と帽子のデザインがきちんとマッチすることがなかったと書いてありますがこの辺に原因があるんでしょうかね??
私は中○商店から出ているレプリカしか持っていませんが、ウッドランドやACUより好きですねー!!やはり一部の選ばれた兵士しか着れなかった迷彩ですからねー!!
とはいえ、当時のローカルメイド品もあり合わせの生地を使って作るので、状態が違う生地を1つの帽子に使うこともあり得るかと思います。使いこまれる前は色落ちの激しい部分もここまでは色落ちしていなかったと思いますし。
服と帽子でタイガーストライプのパターンが違うことは確かによくありますね。しかしながら、同じパターンの場合もあります。Tadpole Sparse Patternなど一部のタイガーストライプは帽子と服をセットでまとめて発注していますし、南ベトナム軍海兵隊のものであれば、当然服と帽子がセットで支給されるはずです。それでも、帽子は私物を使ったりで、服と違うパターンのことも多いですね。
個人的にはタイガーストライプよりダックハンターが好きですが、ベトナム戦争を代表する迷彩はやはりタイガーストライプとリーフだと思います。ウッドランドもまた良い迷彩なんですけどね~。ちなみに米軍の一般部隊でも稀にタイガーストライプを着用している例がありました。
自分は「地獄の黙示録」に刷り込まれたのか、どちらかというとタイガー派(+リーフ)であるのですがビッキー池田さんの記事を拝見させて頂き、この頃はダックハンターに注意するようになりました。
Tadpole Dense Patternのブーニーハットは個人的には少し退色しすぎかとも思います。シャドウタイガーの方は謎ですが、やはりローカルメイド品の1種だと思います。
「地獄の黙示録」や「グリーンベレー」をご覧になった方はやはりタイガー派になるかと思います。あまりダックハンターを使用した映画はありませんので・・・。
自分もナイトタイガーの売り出し広告を見てその日のうちに買いに走った思い出がありますw
もう21年前の話ですが…w
勿論しばらくは塩スープで過ごしましたとも!ええ!(笑
タイガーのハットは褪色すればするほど格好いいと思います。
ウチの初期オキナワ型タイガーのカウボーイハットはそれはもう、ボロボロでw
しかし、21年前は塩スープで過ごさないといけなくなるほどナイトタイガーが高かったのですか!?今だと他のタイガーストライプと比べてとてつもなく安いかと思うのですが。
タイガーもリザードも退色して良い感じになるのはそうなのですが、自分のTadpole Denseのは色落ちしすぎではないでしょうか?エビスさんがお持ちのカウボーイハットはぜひ拝見したいですね~。
確か上下で9800円だった記憶があります。
当時はタイのタイガーではなく、KLNAのタイガーという触れ込みでした。
部屋の掃除も一段落したし明日は晴れるらしいのでハット・ベレー類の写真を撮り直そうかと^^
確かにKNLA用とした方が売れそうですね。しかし、最近はどういうわけかタイ軍のものとして売っていることが多いように感じます。
いったいどんな素晴らしいものがでてくるか期待してます!