2010年06月16日
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rd&4thタイプその1
こんばんは。ビッキー池田です。今回は米軍の徽章付きの3rdタイプ及び4thタイプのOG-107ユーティリティシャツを紹介します。ユーティリティシャツのタイプ分けについてはこちらの記事をご参考になさってください。
この写真の詳細は不明ですが、この2人はユーティリティシャツの3rdタイプもしくは4thタイプ、またはOG-507ユーティリティシャツを着用しています。右の人は右胸ポケットにジャングルエキスパート章を付けており、左胸にもスキルパッチ(降下章かエアアサルト章と思われます)が付いているようです。
また、右の隊員はユーティリティトラウザーズにカーゴポケットを増設しているようで、カーゴポケットに地図か何かを突っ込んでいます。左の隊員のスカーフや右の隊員のサンハット(チューリップハット)なども興味深いです。右の隊員のユーティリティシャツの左袖に付いているのが第9歩兵師団のSSIに見えるので、第9歩兵師団の写真かもしれませんし、ユーティリティトラウザーズへのカーゴポケットの増設は空挺部隊に多くみられるので、空挺部隊の写真かもしれません。
こちらは1966年7月23日にケンタッキー州のフォート・キャンプベル(Fort Campbell)に当時のリンドン・B・ジョンソン大統領が第101空挺師団を視察に来た時の写真のようです。第101空挺師団は1967年からベトナムへ派遣されたので、この時点ではまだ第101空挺師団はベトナム戦争に参加していません。
右端の隊員は1stタイプのユーティリティシャツ、その左隣の隊員は2ndタイプのユーティリティシャツ、更にその左隣の隊員は3rdタイプもしくは4thタイプのユーティリティシャツを着用しているようです。空挺部隊なだけあって、(おそらく)全ての隊員が降下章を付けており、ヘルメットは空挺部隊仕様のM1Cヘルメットを被っています。彼らのうち、最低2名はCIB(Combat Infantry Badge : 戦闘歩兵章)を付けていますが、まだ若い人のようなので朝鮮戦争経験者ではなく、別の部隊で既にベトナム戦争に参加した人ではないでしょうか。
こちらは第1歩兵師団の写真ですが、1970年にベトナムから第1歩兵師団が引き揚げた後の写真と思われます。そう考えられる理由はいくつかあります。
まず左の人が付けている第1歩兵師団のSSIはフルカラータイプですが、右の人のはサブデュードタイプなので、少なくとも1960年代後期の写真です。そして、第1歩兵師団はベトナム戦争時には基本的にフルカラーのSSIを使用しており、ローカルメイド品を除くとサブデュードタイプは使用していなかったはずなので、ベトナム戦争中の写真の可能性は低くなります。更にベッドの上にコヨーテファーのフード付きのM51もしくはM65フィールドパーカーが見えますが、ベトナムにフィールドパーカーを持ちこんでいた可能性は低いですし、左の人が履いているブーツも熱帯用のジャングルブーツではなく、オールレザーのコンバットブーツです。
以上の理由よりベトナムから撤退後の写真と考えられるわけですが、フルカラータイプのSSIがまだ使われているので、おそらくは1970年代初期〜中期の写真と思われます。場所はカンザス州のフォート・ライリー(Fort Riley)もしくは西ドイツではないでしょうか。ベトナム戦争後、第1歩兵師団隷下の部隊の一部は本拠地のフォート・ライリーに帰還し、一部は西ドイツに駐留しました。
それでは、自分のコレクションの紹介に移ります。第1歩兵師団が西ドイツに駐留していたことについて少し書いたところなので、まずは西ドイツ駐留の部隊のユーティリティシャツの紹介です。
在欧州米陸軍(United States Army Europe)のフルパッチ品の4thタイプのユーティリティシャツです。この部隊は現在でもドイツのハイデルベルグ(Heidelberg)に駐留しています。 在欧州米陸軍のSSIと4等特技兵(Specialist 4 : E4)の階級章はフルカラーのメロウエッジタイプで、U.S. ARMYテープもフルカラータイプです。
ネームテープはサブデュードタイプのコットン製で、名前がスタンプされています。残念ながら、左袖に補修がある他、左袖のボタンが3rdタイプのユーティリティシャツなどに使われる平ボタンに交換されており、交換に使った糸がODや黒ではなく目立つ黄色です。なお、このユーティリティシャツのコントラクトNoはDSA100-3209で、裁断が全てダブルのタイプとなっています。
次の1着も西ドイツ駐留部隊のものです。
こちらは1957年から1992年まで西ドイツに駐留していた第8歩兵師団のユーティリティシャツ3rdタイプですが、第8歩兵師団の部隊章がAIRBORNタブ付きのものとなっています。このAIRBORNEタブ付きの第8歩兵師団の部隊章は第8歩兵師団の中でも空挺能力を持った部隊でだけ使用されたものとなります。こちらのシャツに縫い付けられた第8歩兵師団SSI、4等特技兵(Specialist 4 : E4)階級章はフルカラーのカットエッジ品で、U.S. ARMYテープとベーシックの降下章もフルカラー品です。
ネームテープは白色のものにスタンプという方式になっています。また、こちらのユーティリティシャツのコントラクトナンバーはDSA-1-9410です。
なお、1958年から1973年までの間、第8歩兵師団の隷下に空挺部隊がありましたが、その間に第二次世界大戦で活躍した第504パラシュート歩兵連隊(504th Parachute Infantry Regiment)第1大隊や後のベトナム戦争で活躍する第505パラシュート歩兵連隊(504th Parachute Infantry Regiment)第1大隊、後に仮想敵部隊(Opposing force : OPFOR)となる第509歩兵連隊第1大隊などを隷下に置きました。
最後の1着は在独米軍部隊のものではありません。しかし、人気のベトナム戦争参加部隊のもので、コントラクトNoもベトナム戦争ロットです!
第4歩兵師団の4thタイプユーティリティシャツですが、第4歩兵師団はベトナムからの撤退後も解隊されなかったことを考えると、ベトナム戦争後に使用されたものかもしれません。第4歩兵師団はベトナムには1966年から1970年まで駐留していました。第4歩兵師団SSIとRANGERタブはサブデュードのメロウエッジタイプです。サブデュードのベーシックの降下章も縫い付けられています。ネームテープは欠品しており、U.S. ARMYテープはサブデュードのナイロン製のものです。
襟にはサブデュードの中尉の階級章と情報科の兵科章です。残念ながら、第1ボタンが欠品しています。なお、こちらのシャツのコントラクトナンバーはDSA100-68-C-1926の1968年ロットで、生産メーカーはJ. H. RUTTER-REX CO., INC.となり、裁断は全てダブルのタイプです。
以下の記事も参考にどうぞ。
戦後米軍ユーティリティシャツの基本バリエーション
米軍OG-107ユーティリティシャツ2ndタイプ
米軍OG-507ユーティリティシャツ改造品
米軍ユーティリティシャツ(ローカルメイド、民生品等)その1
夏季・熱帯用ユーティリティ(ローカルメイド、民生品等)その1
米軍テストサンプルユーティリティシャツ
この写真の詳細は不明ですが、この2人はユーティリティシャツの3rdタイプもしくは4thタイプ、またはOG-507ユーティリティシャツを着用しています。右の人は右胸ポケットにジャングルエキスパート章を付けており、左胸にもスキルパッチ(降下章かエアアサルト章と思われます)が付いているようです。
また、右の隊員はユーティリティトラウザーズにカーゴポケットを増設しているようで、カーゴポケットに地図か何かを突っ込んでいます。左の隊員のスカーフや右の隊員のサンハット(チューリップハット)なども興味深いです。右の隊員のユーティリティシャツの左袖に付いているのが第9歩兵師団のSSIに見えるので、第9歩兵師団の写真かもしれませんし、ユーティリティトラウザーズへのカーゴポケットの増設は空挺部隊に多くみられるので、空挺部隊の写真かもしれません。
こちらは1966年7月23日にケンタッキー州のフォート・キャンプベル(Fort Campbell)に当時のリンドン・B・ジョンソン大統領が第101空挺師団を視察に来た時の写真のようです。第101空挺師団は1967年からベトナムへ派遣されたので、この時点ではまだ第101空挺師団はベトナム戦争に参加していません。
右端の隊員は1stタイプのユーティリティシャツ、その左隣の隊員は2ndタイプのユーティリティシャツ、更にその左隣の隊員は3rdタイプもしくは4thタイプのユーティリティシャツを着用しているようです。空挺部隊なだけあって、(おそらく)全ての隊員が降下章を付けており、ヘルメットは空挺部隊仕様のM1Cヘルメットを被っています。彼らのうち、最低2名はCIB(Combat Infantry Badge : 戦闘歩兵章)を付けていますが、まだ若い人のようなので朝鮮戦争経験者ではなく、別の部隊で既にベトナム戦争に参加した人ではないでしょうか。
こちらは第1歩兵師団の写真ですが、1970年にベトナムから第1歩兵師団が引き揚げた後の写真と思われます。そう考えられる理由はいくつかあります。
まず左の人が付けている第1歩兵師団のSSIはフルカラータイプですが、右の人のはサブデュードタイプなので、少なくとも1960年代後期の写真です。そして、第1歩兵師団はベトナム戦争時には基本的にフルカラーのSSIを使用しており、ローカルメイド品を除くとサブデュードタイプは使用していなかったはずなので、ベトナム戦争中の写真の可能性は低くなります。更にベッドの上にコヨーテファーのフード付きのM51もしくはM65フィールドパーカーが見えますが、ベトナムにフィールドパーカーを持ちこんでいた可能性は低いですし、左の人が履いているブーツも熱帯用のジャングルブーツではなく、オールレザーのコンバットブーツです。
以上の理由よりベトナムから撤退後の写真と考えられるわけですが、フルカラータイプのSSIがまだ使われているので、おそらくは1970年代初期〜中期の写真と思われます。場所はカンザス州のフォート・ライリー(Fort Riley)もしくは西ドイツではないでしょうか。ベトナム戦争後、第1歩兵師団隷下の部隊の一部は本拠地のフォート・ライリーに帰還し、一部は西ドイツに駐留しました。
それでは、自分のコレクションの紹介に移ります。第1歩兵師団が西ドイツに駐留していたことについて少し書いたところなので、まずは西ドイツ駐留の部隊のユーティリティシャツの紹介です。
在欧州米陸軍(United States Army Europe)のフルパッチ品の4thタイプのユーティリティシャツです。この部隊は現在でもドイツのハイデルベルグ(Heidelberg)に駐留しています。 在欧州米陸軍のSSIと4等特技兵(Specialist 4 : E4)の階級章はフルカラーのメロウエッジタイプで、U.S. ARMYテープもフルカラータイプです。
ネームテープはサブデュードタイプのコットン製で、名前がスタンプされています。残念ながら、左袖に補修がある他、左袖のボタンが3rdタイプのユーティリティシャツなどに使われる平ボタンに交換されており、交換に使った糸がODや黒ではなく目立つ黄色です。なお、このユーティリティシャツのコントラクトNoはDSA100-3209で、裁断が全てダブルのタイプとなっています。
次の1着も西ドイツ駐留部隊のものです。
こちらは1957年から1992年まで西ドイツに駐留していた第8歩兵師団のユーティリティシャツ3rdタイプですが、第8歩兵師団の部隊章がAIRBORNタブ付きのものとなっています。このAIRBORNEタブ付きの第8歩兵師団の部隊章は第8歩兵師団の中でも空挺能力を持った部隊でだけ使用されたものとなります。こちらのシャツに縫い付けられた第8歩兵師団SSI、4等特技兵(Specialist 4 : E4)階級章はフルカラーのカットエッジ品で、U.S. ARMYテープとベーシックの降下章もフルカラー品です。
ネームテープは白色のものにスタンプという方式になっています。また、こちらのユーティリティシャツのコントラクトナンバーはDSA-1-9410です。
なお、1958年から1973年までの間、第8歩兵師団の隷下に空挺部隊がありましたが、その間に第二次世界大戦で活躍した第504パラシュート歩兵連隊(504th Parachute Infantry Regiment)第1大隊や後のベトナム戦争で活躍する第505パラシュート歩兵連隊(504th Parachute Infantry Regiment)第1大隊、後に仮想敵部隊(Opposing force : OPFOR)となる第509歩兵連隊第1大隊などを隷下に置きました。
最後の1着は在独米軍部隊のものではありません。しかし、人気のベトナム戦争参加部隊のもので、コントラクトNoもベトナム戦争ロットです!
第4歩兵師団の4thタイプユーティリティシャツですが、第4歩兵師団はベトナムからの撤退後も解隊されなかったことを考えると、ベトナム戦争後に使用されたものかもしれません。第4歩兵師団はベトナムには1966年から1970年まで駐留していました。第4歩兵師団SSIとRANGERタブはサブデュードのメロウエッジタイプです。サブデュードのベーシックの降下章も縫い付けられています。ネームテープは欠品しており、U.S. ARMYテープはサブデュードのナイロン製のものです。
襟にはサブデュードの中尉の階級章と情報科の兵科章です。残念ながら、第1ボタンが欠品しています。なお、こちらのシャツのコントラクトナンバーはDSA100-68-C-1926の1968年ロットで、生産メーカーはJ. H. RUTTER-REX CO., INC.となり、裁断は全てダブルのタイプです。
以下の記事も参考にどうぞ。
戦後米軍ユーティリティシャツの基本バリエーション
米軍OG-107ユーティリティシャツ2ndタイプ
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米陸軍特殊部隊群パッチ付きリーフ迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
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米軍徽章付きユーティリティシャツ3rd&4thタイプその2
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米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
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米軍手描き迷彩のジャングルファティーグ その3
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rd&4thタイプその2
なんかコレクションで集めたいと思うのはまずユーティリティユニホームなんですよねー!!とりあえず上着だけでも全4種類揃えたいですねー!!
ただ上着はまだ何とかなるんですがトラウザーの知識はほぼゼロです・・・・
ジャングルファティーグよりユーティリティが欲しいとは気が会いますね~w
トラウザーズの方も大きくてわけて4種類に分類でき、当ブログでも紹介したいのですが、ついついパッチ付きシャツばかり買ってしまって、トラウザーズの方をちゃんと集めていなので、まだ紹介できません・・・。
ヤフオクでお探しの『スペシャルウォーフェアジャケット』が安価で出品されていますねー。でも、コンディションが今一つなので私は見送りです。それにしても珍しい…
もちろんチェック済みです!コンディションは許容範囲ですが、予算の都合がつきそうにないので今回はパスですね・・・。Vショー前後は予算が厳しいのです。
当方、ユーテリティシャツを何着か所有しており、その大半がOG-507ですが、中にOG107のDSA100-76-C-0837のコンストラクターNOの物がありました。このシャツはバージョンは何になるでしょうか?時代考証に合うパッチを付けたいと思いますので、どのようなパッチが合うかもお教えいただければ幸いです。よろしくお願い致します。