2010年08月21日

米軍M1&M2カービン用マガジンポーチ(15連マガジン用)

 こんばんは。ビッキー池田です。今回はアメリカ軍のM1カービンやM2カービン用のマガジンポーチを紹介します。


 M1カービン(Carbine, Caliber .30, M1)が1941年に採用されると、M1カービンの15連マガジンを収納するためのマガジンポーチも採用されました。そして、M1カービンやその空挺用モデルであるM1A1カービンと共にそのマガジンポーチも第二次世界大戦に投入されます。

 細かい時期は不明ですが、第二次世界大戦時の写真です。2個M1カービンのマガジンポーチをピストルベルトに装着しています。また、M1ヘルメットに少尉階級章のマーキングが入っていますが、このように士官や下士官や工兵などはM1カービンを護身用に使用していました。


 1944年に撮影された写真で、右端の第2機甲師団のSSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)を付けている人の腰に2個M1カービンのマガジンポーチが確認できます。彼らのうち5人ほどがダックハンター迷彩の戦闘服(おそらく2ピースタイプのM43型)を着用しているので、彼らの所属は第2機甲師団隷下の第17工兵大隊です。ヨーロッパ戦線でダックハンター迷彩を使用していた部隊は第30歩兵師団と第2機更新隷下の第17工兵大隊だけとされています。


 オーバーロード作戦の前の空挺部隊でしょうか。中央の人が腰にM1A1カービン用のスキャバード(ケース)を装着していますが、スキャバードの蓋の上にマガジンポーチが付いています。本来M1A1カービンのスキャバードの蓋にマガジンポーチは付いていないので、個人的に縫い付けたもののようです。なお、空挺部隊では通常のM1カービンのマガジンポーチの他にリガーポーチと呼ばれるリガーメイドのポーチにもマガジンを入れていたりました。リガーポーチについてはまたの機会に紹介したいと思います。

 M1カービン用のマガジンポーチにはM1カービンの15発マガジン以外のものも入りました。

 右の人が使っている銃はM1ガーランドですが、マガジンポーチはM1カービン用を使用しています。M1ガーランドのカートリッジを収納するカートリッジベルトの使用が一般的ですが、M1カービン用のマガジンポーチにもM1ガーランドのカートリッジは収納可能のようです。


 この写真のようにM1カービンの15発マガジン用マガジンポーチの初期型はM1カービンやM2カービンのストック部分に装着可能です。


 さて、15連初マガジン用のマガジンポーチの初期型と後期型の違いですが・・・。

 後期型には下の方にダブルフックワイヤー用のアイレット(ハトメ)があるという点が挙げられます。この写真の初期型はカーキ(OD SHADE #3)とOD(OD SHADE #7)の両方の生地が使われており、後期型はODの生地が使われていますが、初期型も後期型もカーキとODの両方のタイプが存在しました。


 背面のベルトループの大きさが初期型と後期型では違い、スナップボタンが初期型にはあります。ベルトループが大きいので、初期型はM1カービンやM2カービンのストックに装着できますが、後期型はベルトループが小さいので、ストックに装着できません。また、スタンプからこの写真の初期型マガジンポーチはAVERYというメーカーが1943年に作ったものと分かります。


 ところどころ裁断も違います。なお、初期型はストック用と呼ばれたりもしますが、ストックにも付けられるというだけで、本来はスナップボタンでピストルベルトに装着するタイプのマガジンポーチです。


 後期型のスタンプです。名称が「POCKET, AMMUNITION MAGAZINE (Caliber .30, M-1, CARBINE OR RIFLE)」となっていることから分かるようにM1カービンのマガジンだけではなく、M1ガーランドのカートリッジも収納できるように作られています。なお、こちらの後期型のマガジンポーチはヤフーオークションに出品中ですので、良かったらご覧ください!


 また、陸軍だけではなくもちろん海軍や海兵隊でもこれらのマガジンポーチは使用されていました。

 1944年のタラワで撮影された写真で陸軍と海軍の両方の隊員が写っています。右端の人がM1カービンのマガジンポーチをピストルベルトに付けていますが、使っているサスペンダーがM1941サスペンダーなので、海軍軍人です。彼が何を着ているのかいまいちよく分かりませんが、N3ユーティリティユニフォーム(海軍用のP41)かコンバットユーティリティユニフォーム(M43と似た海軍用の戦闘服)だと思います。


 1945年6月の沖縄で撮影された第1海兵師団の写真で、15発マガジン用マガジンポーチの初期型をM1カービンのストックに付けています。彼はレギンスを付けずにブーンドッカー(海兵隊用サービスシューズ)を履いているようです。ダックハンターパターンのヘルメットカバーは後期型(スリット入りのタイプ)を装着しています。


 1944年にニューブリテンで撮影された第1海兵師団司令部の写真となります。この写真は本当はもっと大きい写真で、これは右半分だけを抜きだした状態です。右端の隊員が迷彩塗装を施したM1カービン用マガジンポーチを2個携行しています。彼のもう1つのポーチ(コンパスポーチでしょうか?)とレギンスも迷彩塗装のようです。中央の人も同様にレギンスとマガジンポーチ(こちらはM1カービン用ではなくM1911A1用のM1923マガジンポーチのようですが)に迷彩塗装を施しています。また、中央の人は海兵隊用のM1941サスペンダーではなく陸軍用のM1936サスペンダーを使っているようです。

 更に左の人はブーンドッカーとレギンスではなく、パラマリン用のジャンプブーツもしくはレイダー大隊用のレイダーブーツを履いているので、過去にパラマリンかレイダーに所属していたのだと思います。そして、中央の人は海兵隊用の夏季・熱帯用制服を着用していますが、左右の2人は陸軍用の夏季・熱帯用制服(いわゆるチノ)を着ているようです。

 そして、海兵隊には海兵隊独自型のM1カービンの15発マガジン用マガジンポーチもありました。

 この写真は先ほどの写真の左側半分となります。右端の人がピストルベルトにM1942ファーストエイドポーチと共に付けているのが海兵隊の782ギア(782 Gear)のM1カービン用マガジンポーチです。また、彼も右側半分の写真に写っていた2名のように陸軍用の制服を着ています。左の人は海兵隊の夏季・熱帯用の制服のシャツを着ていますが、トラウザーズは陸軍のM43HBTトラウザーズのようです。また、左の人が履いているブーツはパラマリン用ジャンプブーツかレイダーブーツと思われます。真ん中の人が被っているM1ヘルメットのライナーが迷彩塗装で、海兵隊のグローブ&アンカーのマークが取り付けられているのも興味深いです。



 これが782ギアのM1カービンの15発マガジン用マガジンポーチです。


 ほとんど消えていますが、USMCとスタンプが入っています。


 通常の初期型(写真左側)や後期型(写真右側)とは蓋の形が全然違うのが分かります。この形はブリティッシュメイドのM1カービン用マガジンポーチと良く似ているのですが、ブリティッシュメイドの装備はまた別の機会に紹介予定です。


 WW2後も朝鮮戦争やベトナム戦争において、M1カービンの15連マガジン用マガジンポーチの初期型と後期型はM1,M1A1,M2カービンと共に使われ続けました。782ギアのマガジンポーチも使用されていたかもしれませんが、不明です。

 こちらは1951年4月17日に朝鮮半島のイムジン川で撮影された第3歩兵師団の写真です。右の方の2人がM1カービンのマガジンポーチを使用しています。マガジンポーチの下に銃剣(もしくはナイフ)が下げられているので、彼らが使っているのはダブルフックワイヤー用のアイレットがある後期型のマガジンポーチです。M1943コンバットブーツ以外にルセットブーツを履いた人も多く見られます。


 ダックハンター迷彩の帽子の記事でも登場したベトナム戦争時の海軍軍事顧問2人組ですが、今回はメガネの軍事顧問がピストルベルトにM1カービンの15連マガジン用マガジンポーチを装着しています。なお、前回紹介した写真で彼はサンダル履きでしたが、今回はちゃんとコンバットブーツを履いているようです。その代わり上半身裸になっていますが・・・。左の軍事顧問はM1A1カービンを使っているのに対して、メガネの軍事顧問はフラッシュハイダー付きのM1もしくはM2カービンを使用しています。


 MIKE FORCEのモンタニヤードでしょうか?左端の人がM1カービンの15連マガジン用マガジンポーチを携行しています。蓋に.30カービン弾のクリップを挟んでいるようです。右奥の人はM1910エントレンチングツール(Tボーン)を携行しているように見えます。


 彼らもMIKE FORCE所属でしょうか?M1もしくはM2カービンのストックに初期型の15連マガジン用マガジンポーチを装着しています。


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Posted by ビッキー池田  at 00:03 │Comments(5)ポーチ類

この記事へのコメント
このポーチ、後期は持ってますねー!!初期はストックに入れるのではなく基本ベルトなんですねー!
 この他に30連用の四角のポーチを持ってますが、中に仕切りが付いていてイマイチ入れ方が良くわかりません・・・・・さらには今回紹介されているタイプを改造した30連用もあるんですよねー!!ヤフオクでチェックしているだけでまだゲットしていませんが・・・・この改造型と初期が揃えばM1/2カービンのポーチが全種類制覇となりますが初期はなかなか値が張りますねー!!
 ちなみに個人的にはM1/2カービン好きなんですよねー!!なんかM16より頑丈で壊れない感じがします!!
Posted by イッシー at 2010年08月21日 10:47
先月の1956/61装備のオクの件はありがとうございました

WW2のアメリカ陸軍装備も集めているのですが、調べていくうちにBARやM1ガーランドではM1937やM1923などおなじみの名称があるのにトンプソンとカービンに対してはないんですよね、不思議(ただ単に見つけてないだけかもですが)

しかしドラマ・パシフィックの写真見るとカービン余計にかっこよく見えますねw
Posted by トンプソン at 2010年08月22日 02:40
 イベント出店のため返信が遅くなり申し訳ありません。


>イッシー様
 初期型がストック用に作られたのだとすると、スナップボタンが付いている理由が分かりません。M1カービンのストックにスナップボタンは付いていないわけですから・・・。

 30連用についても後日紹介予定ですが、30連用の後期型(15連用改造でないもの)は4本マガジンを入れられるようになっています。仕切りは4本を分けて入れるためのものです。トイガンのマガジンだと3本しか入らないという話も聞きますが・・・。15連と30連の初期、後期それぞれと782ギアのタイプとブリティッシュメイドでM1&M2カービン用マガジンポーチのコレクションはコンプリートだと思います。更に15連用にはカーキ生地のものとOD生地のものやカーキとOD両方の生地が使われているものが・・・。


>トンプソン様
 ご来訪ありがとうございます。また、オークションの件も誠にありがとうございます!WW2物でもナム戦物でもまた何かお探しのものがあれば、ご相談ください。

 確かに不思議なことにサブマシンガンとカービン関係の装備については年式による名称がついていませんね。護身用火器は年式による名称が付かないのかと思いきや、M1911A1用のマガジンポーチはちゃんと年式による名前があるので余計に不思議です。

 「パシフィック」効果なのか、最近少しWW2が人気になってきたようですね。昨日の太平洋戦争イベント「ざ・パシフィックフロント」も随分と参加者がいました。やはりM1カービンは良いですね~w
Posted by ビッキー 池田ビッキー 池田 at 2010年08月23日 23:52
こんにちは!

画像の3点は入手済みなのですが、ブリティッシュメイドは持ってませんね~
一度拝見致したいです。

やはり15連の中ではブリティッシュメイドが、一番レアなのでしょうか?
Posted by パイル二等兵 at 2010年09月04日 16:50
 イベント参加のため、返信が遅くなって申し訳ありません。


 海兵用もお持ちなのですか!海兵用は物自体がなかなかありませんし、あっても状態が悪いことが多いですね・・・。


 ブリティッシュメイドは自分も現物を見たことがありませんが、こちらのHPで紹介されています。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~to82to/newpage1-ETO-2003-06-30-0934-ETO-MEIN.htm

 やはりブリティッシュメイドのカービン用マガジンポーチは大変珍しいと思います。ブリティッシュメイド装備は物によって希少性が違いますが、カービン用マガジンポーチは希少な部類ではないでしょうか。逆にブリティッシュメイドでもあまり希少でないのはM1942ファーストエイドポーチかと思います。
Posted by ビッキー池田ビッキー池田 at 2010年09月07日 12:25
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