2010年09月18日

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー

 こんばんは。ビッキー池田です。今回は1970年代中期から1980年代初頭頃のものと思われるアメリカ軍の試作品ボディーアーマーを紹介します。


1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 1980年代初頭に採用されたPASGT(Personnel Armor System for Ground Troops : 地上部隊用個人防護システム)装備のボディアーマーのテストサンプル品と思われます。PASGT装備のボディアーマー(いわゆるM1ボディアーマー)とやはり似た形状ですが、共通していない点も多数有ります。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 首のところにM1955ボディアーマーのようなストラップがありますが、これはPASGTボディアーマーにはありません。そして、肩部分のアーマーが独立しているのはPASGTボディアーマーと同じです。M1955ボディアーマーのように射撃用の肩ストッパーが付いているものの、これはPASGTボディアーマーにはありません。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 PASGTボディアーマーや後期のM69ボディアーマーと同じで、前あわせはベルクロ式になっています。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 ボディアーマーの前側と後側を接続する部分はベルクロとゴムバンドになっており、サイズ調整が可能です。M69ボディアーマーやM1952Aボディアーマーではボディアーマーの前側と後側を紐で繋いでいるだけだったので、側面に隙間ができて防護力に問題がありました。しかし、この試作ボディアーマーやPASGTボディアーマーではこのように側面部分に隙間ができないように作られています。

 そして、このボディアーマー最大の特徴はポーチ部分です。ソ連軍の6Б-3ボディアーマーや自衛隊の戦闘防弾チョッキにもポーチが付いていますが、おそらく関連性は無いかと思います。
1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 全てのポーチのフラップ(蓋)はベルクロどめで、取り外しはできません。4つついているマガジンポーチ部分の下にはダブルフックワイヤー式装備を装着できるアイレット(はと目)が付いています。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 マガジンポーチ部分にはそれぞれ2本ずつM16系の30連マガジンが入ります。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 両端のマガジンポーチの側面にはペンポケットのようなポケットがありますが、ペンポケットにしては大きすぎますし、数も多すぎるように感じます。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 マガジンポーチの間にあるポーチはハンドグレネードポーチと思われ、手榴弾が入ります。大きめに作られているので、M18発煙手榴弾も収納可能です。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 右胸のポーチはバンテージにちょうど良いサイズなので、ファーストエイドポーチかもしれません。しかし、タクティカルギアメーカーのタクティカルベストについている同様の形状のポーチがユーティリティポーチだということを考えると、これも特に用途の決まっていないユーティリティポーチとも考えられます。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 左胸のポーチもいまいち用途がわかりません。こちらもやはりユーティリティポーチなのでしょうか?このポーチの隣にあるパーツもよく用途がわかりません。手榴弾やフラッシュライトなどを引っ掛けるためのループなのでしょうか?

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 ラベルに書かれている名称は「LIGHT ARMORED VEST」となっています。

1970〜1980年代米軍試作ボディアーマー
 装備品を装着してフル装備にするとこんな感じでしょうか?



人気ブログランキングへ






Posted by ビッキー池田  at 00:22 │Comments(10)ボディアーマー類

この記事へのコメント
 このデザインのタイプは見たこと無いですねー!!って試作品なら無理ないですね!!最後の画像のフル装着のデザインいいですねー!!このような試作品があるんですねー!!これでウッドランドを着ていればまさに80年代の米兵です!!
 ちなみにボディアーマーは陸軍のM69をもってます、海兵隊のM1955と両方揃えたいですねー!!この2つがあればナム戦のボディアーマーは制覇ですので!!
Posted by イッシー at 2010年09月18日 09:02
 自分もこの1個しか見たことがありません。PASGTボディアーマーの色をODにしたような試作品は何度か見かけました。

 ナム戦のボディアーマーには試作品を除いても他にM1952、M1952A、M1953、可変ボディアーマー、BUAER、エアクルーアーマーがあります。そして、M1955とM69にもバリエーションが複数存在するので、ナム戦ボディアーマーを制覇するのは険しい道です。
Posted by ビッキー池田ビッキー池田 at 2010年09月20日 16:39
 なんと!!そんなに種類があるとは!!全く知りませんでした~!!改めて自分の知識って浅いな~!!と実感です・・・・・
 バリエーションが多数あるのはいかにもナム戦といった感じですね~!!今回も貴重なコレクションの紹介ありがとうございます!!
Posted by イッシー at 2010年09月20日 20:31
 特にM1955のバリエーションは多いです。ナム戦後のタイプも存在しますし。
Posted by ビッキー池田ビッキー池田 at 2010年09月21日 13:51
おはようございます!

勝手にコメントの流れで質問させて頂きます。

M1952とM1952Aはどういう風に違うのでしょうか?

またM1953はどのようなモノなのでしょうか?
簡単でいいのでお教え下さい。
ちなみに「M1953」は恥ずかしながら初耳でした(汗)
Posted by パイル二等兵 at 2010年09月22日 06:45
 こんばんは~。遅くなって失礼致しました。


 M1952とM1952Aですが、まず用途としてはM1952は海兵隊用でM1952Aは陸軍用です。逆に陸軍がM1952を使ったり、海兵がM1952Aを使っていることもないことはないかと思いますが、見た覚えがありません。(ちなみに陸軍でM1955は見たことがあります)

 外見の違いとしてはM1952Aには大き目のポケットが2つありますが、M1952にはそれがありません。また、M1952AはODというよりカーキ系の色です。


 ところで、パイルさんのブログなのですが、うちと相互リンクどうでしょうか?
Posted by ビッキー池田 at 2010年09月23日 19:47
おはようございます!

解説ありがとうございます。
M1952Aはたまに見かけますが、M1952は未だに出会ったことがないですね~
海兵隊好きの私としましては、是非M1952を入手したいものです。

相互リンクの件、コチラこそ宜しくお願いします!
Posted by パイル二等兵 at 2010年09月24日 09:42
 うっかりM1953について書き忘れておりました。M1953は下半身用のボディアーマーです!

 M1952もM1952Aもあまり見かけないんですよね。特にM1955の登場でM1952へ生産数がすくなさそうです。その関係で、ベトナム戦争ではM1952の使用は少ないので、M1955があれば海兵やるには良いかなぁとも思います。M1955もポケットなしのモデルの使用が結構多いので、それを入手しようとすると大変なのですが・・・。

 Vショー参加の都合上少々遅くなりますが、後日リンクに追加させて頂きます!
Posted by ビッキー池田ビッキー池田 at 2010年09月25日 03:41
はじめまして

ご紹介されているアーマーは販売品ですか?

近々、高松へ出張に行くのですが
よろしければ香川のサープラスショップやガンショップ場所を
教えていただくきことはできますか?


よろしくお願いします
Posted by たいたい at 2011年02月03日 07:32
 初めまして!

 当ブログで紹介しているものは一部例外はありますが、基本的に自分のコレクションです。また、以下のブログの方で紹介しているものは全て販売品となります。
http://bickyikeda.militaryblog.jp/


 自分の知る限りでは香川県に現在ミリタリー関係のショップはノアというトイガンショップが坂出市にあるだけです。4年程前には他にも2件ほどミリタリーショップがあったのですが・・・。


 ちなみに当方も残念ながら店舗はありません。都合があえば、どこかでお会いして商品をお見せするということは可能です。ご希望の場合は以下からご連絡頂ければと思います。
http://bicky.militaryblog.jp/blog_message.php
Posted by ビッキー池田ビッキー池田 at 2011年02月05日 00:56
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。