2009年06月14日

ダックハンター関係の記事についてお知らせ

 こんにちは。ビッキー池田です。

 ダックハンター関連の記事を全て書き直すことにしました。迷彩パターンなどの考察が大きく不足していたためです。コメントをくださった方々、大変申し訳ありません。貴重な情報もコメントに含まれていたので、以下にそれらのコメントを載せておきます。

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はじめまして某板からやってきました。

ダックについても奥深い物です。
確かにある意味タイガーより種類が多いかもしれません。

さて、色の違いについて少しカキコさせてください。
当方、染色関係に務めていたことがあります。
東海地方ではかなりの老舗?で、
マッ○ュのタイガー(2種共)染め上げました。
ナム戦当時、染色されてた方々も現役で働いておられて、
興味をそそるおはなしが・・・。

ナム戦当時
①色については、色目見本(ピッチ)はあったが、
忠実には再現できなかった。
それは、ある程度妥協した色目で生産されていた。
(緑なら見本と違う緑でも、OK!緑に見えたら良い程度)
②当時の染色技術では、今に比べ堅牢度(摩擦、日光、洗濯、汗等)
が低く色落ちがひどい。(JIS規格等は関係ない)
③現在に比べ、色を作る技術が発達してなく、
作成者によりまちまちの色が出来た。(手作り)

現在では
①CP化が進みピッチにあった色が確実に再現。
(同種の染物の注文が来ても、同じいろが作れる。)
②JIS規格等により、ある一定の堅牢度を保たないと、
製品にならない状況。
③CP化により誰が作っても同じ色が再現できる。(機械化)

よって、マッ○ュが復刻版を出した当初、
大阪の店長が色落ちが少ないと嘆いていましたが、
「当時と、堅牢度は格段の違いが有るから仕方ないですよ。」
と言ってやりました。(JIS規格の問題です)

当時、リップ、ポプリンのOD色(無地染め)
同じく、リップ、ポプリンのリーフもそめていました。
(今では考えられませんが、米軍正規用、特需ですね。)
上の状況で当時の色が各Lotで違ってしまうのがお分かりでしょうか?
(合わす事も無く、そこまで要求されていないから)

リーフに関して言うなら、プリントする順番で、色のボケた状況になります。
専門的ですが、本来、色の濃い物から、薄い物の順で、
プリントします。
染色技術者の感で行っている部分ですので、
順番によりボケてしまいます。

極論から言えば、上下の色や、プリント状態が違うほうが、
よりリアルな状況なのです。
(上下同色、同パターンの方が、非現実的)

当時の1Lot単位が3000m~5000mとの事で、
おおよそ2.5mの幅使用で1着できると思いますが、
確率的には、上下同じ色目は完全にムリですよね。
(その量のLotで年間何回も注文が来ていた。)

それに加え、ダック、タイガー等は、各国のローカルプリントも、
あるので、大変な話ではないでしょうか?

ちなみに、マッ○ュのタイガーは、2~3回注文があり、
初回こそ堅牢度が良かったですが、
後での注文分は、JIS規格を無視したプリントを行い、
堅牢度を多少落としました。
しかし、CP化された機械で作った色のりを使用したので、
色目に関しては、ほぼ同色に出来た記憶が有ります。

当時の黒色は、赤、青、黄の三色を混ぜて作っていました。
(単色で黒と言う染料が有りませんでした。)
薬品量により、その青目がきつく残ったりしました。
何を言ってるかと言うとタイガーの黒の部分は、
染色上がりでは、黒く上がっていましたが、
薬品(アルカリ)の加減で堅牢度に色の違いが発生し、
紫っぽく変色、または紺色にもなりました。
当時、染色していた方々に聞いても、
今で言うゴールド、クラッシックと言う、
「2種類を作ったことがない」とのことでした。

「2種類作る意味があるのか?」とも言われました。
(マッ○ュのプリントを2種類行った時に話しましたが。)
恐らくアルカリ残量の違いと、堅牢度が関係していると思います。
(全体的な変色の為、アルカリ残量での変色が濃厚)

縞の型は、各工場で作っていたので、パターンの違いも発生します。
ダックも同じでしょう。
(当時染色工場は、日本に無数にありましたが、今では無くなっています。
マッ○ュの店長いわく、当時染めていた会社がことごとく無くなり、
見つけるのに苦労したと、言ってました。)

極端に珍しい柄(パターン)の品物は、やはり製造量(Lot量)
が少なかったと考えられます。
(そのパターンを使用する会社への注文が少なかった。)

自A隊の迷彩もやっていましたが、米軍のプリント(ミルスッペック)より、
上の堅牢度をすべての生地に対して要求されています。
経費削減と思われます。


長文失礼しました。

ではまた。
Posted by 通りすがり at 2008年08月31日 14:04
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 はじめまして。貴重な情報ありがとうございます。衣類の製造過程に関する情報はほとんど聞かないのでとても参考になります。

>色落ちがひどい
 あまり染色については詳しくないのですが、けっこう最近までそうだったようですね。84年ごろまで生産されていた初期型のBDU(ウェストアジャスターのないもの)は黒の色落ちが激しいと聞きます。その頃のM1ボディアーマーを見ましても、黒色だけ極端に色落ちしているものがよくあります。

>専門的ですが、本来、色の濃い物から、薄い物の順で、プリントします。
 なるほど。そのため、リーフパターンなどで時折プリントのずれたものがあるのですね。

>当時と、堅牢度は格段の違いが有るから仕方ない
 タイガーストライプなど古いものはどれだけできのいい復刻品でも染料の違いがあり、なかなかいい色落ち具合にはならないということですね。今後のコレクション収集の際の参考になります。

>上下同色、同パターンの方が、非現実的
 確かにそうなりますね。しかし、状態の違いなどではなく、上下でまったく違うもの(例えば、4色仕様のパターンと5色仕様のパターン)を着ているケースですと少ないようです。単純にトラウザーズの方がだめになるのが早いので、トラウザーズだけかえるということもあるようです。

>極端に珍しい柄
 タイガーですと、資料が豊富ですので何が貴重かわかるものの、ダックハンターの場合は何が貴重かもわからないという現状です・・・。


 本当に貴重な情報ありがとうございました。まだまだコレクションも知識も少ないので参考になります。今後もなるべく頻繁に更新していきますので、またいらっしゃってください。資料がありふれているものよりはマイナーなもの、かなり普通に出回っていても細かい違いなどについての情報が少ないものなどを優先して紹介していく予定です。
Posted by ビッキー池田 at 2008年08月31日 22:29
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どうも!
恐縮です。

さて、ボディーアーマーの件。
ナイロン装備の染色は、顔料と言って、
綿等に染色する反応染料とは違い、
堅牢度が極端に低い物でした。
パーカー等、おっしゃるとおり黒は、
非常に悪いものです。

恐らく今もそうです。

復刻の件。
日本でプリントされた物は、色落ちしにくいだけで、
中○商店の様な韓国??プリント品は恐らく、
当時の染色技術で色落ちは多大に発生します。

う~!奥深いですね。
Posted by 通りすがり at 2008年08月31日 23:11
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 こんばんは。またまた情報ありがとうございます。

>ナイロン装備の染色
 初歩的なことのようですが、ナイロンとコットンで染料が違うのも初めて知りました。考えてみれば、ODと呼ばれるものでもコットン装備のM1956装備とナイロン装備のM1967装備でまったく色が違いますね。

 ALICE装備や後期型の2QTキャンティーンポーチは70年代から80年代のものと最近のものでかなり色が違うのは色が変更になったためだと思っていましたが、ナイロンの染料は堅牢度が極端に低いとのことですので、本来は同じ色で色落ちしただけなのでしょうか。1番身近なALICE装備までもが細かく見ると興味深いアイテムですね。・・・最近の最新装備にばかり眼が行く若いゲーマーにはあまり身近なアイテムでもないようですが。

>当時の染色技術で色落ちは多大に発生します
 あ~、なるほど。ぱっと見には違いがなくても生産国によって復刻品の染色が違うわけですね。

 ・・・しかし、自分は実物主義者なので、復刻品にはあまり興味がなかったりします。タイガーストライプは人気のあるゴールドタイガーのレプリカを買うより、人気が低くて使用例が少なかったものの安く実物が入手可能なシャドウタイガー(タイランドタイガーやナイトタイガーとも呼ばれるタイのもの)を選びます。

 それでも、WWII物で特別貴重なもの(M42空挺服など)はレプリカを買うしかないかと思い始めてはいます。うまく色落ちするとのことですので、そのときは海外製を選ぼうと思います。
Posted by ビッキー池田 at 2008年09月01日 00:13
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こんばんは。

ナイロンの色落ちの件。

ライトウェイト等のストラップですが、
カーキっぽくなっていませんか?
しかし、中にはグリーンの物もありませんか?

これが、Lot違いの状況です。
本来グリーンで染め上げています。

実は、当方所持のリュックも、
家において変色してしまいました。  泣!
Posted by 通りすがり at 2008年09月01日 00:28
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 なるほど。そう言われてみますとそうですね。ナイロンの装備品の場合パーツごとにばらばらに集めると大変なことになりそうですね。

 ちなみにライトウェイトリュックサックはまだ保有しておりません・・・。完品のを買おうとするとやっぱり高いんですよ!しかも5種類ほどバリエーションがありますし。
Posted by ビッキー池田 at 2008年09月01日 01:46
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個人的にダックハンター(黄色っぽい彩色)とリーフ(緑系)、タイガー(白混じり黒混じり)と、全く色彩が異なるように思ってるんですが、ベトナムでは迷彩効果はおのおのあったんでしょうか。
Posted by 予備レンジャー at 2009年05月25日 03:57
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 度々の訪問ありがとうございます。

 リーフパターンは基本的に迷彩効果が高かったようですが、タイガーストライプパターンやダックハンターパターンはあまり高くなかったようです。ダックハンターと一言で言いましても、色が様々で茶色っぽい彩色や緑っぽい彩色などもあります。タイガーストライプも同様に青っぽい彩色や緑っぽい彩色など様々な種類があるわけですが、基本的に茶色系や黒系の迷彩はベトナムでは効果が薄かったようです。

 また、彩色だけでなく、迷彩の柄的にダックハンターやタイガーストライプの効果が薄かったとも考えられます。ナム戦中期のグリーンベレーはタイガーストライプよりTCUを好んでいるので、もしかするとタイガーストライプやダックハンターよりもOD(OG-107)単色の方が目立たないのかもしれません。
Posted by ビッキー池田 at 2009年05月25日 19:21




 以下の記事も参考にどうぞ。
ダックハンターの迷彩パターン考察
ダックハンタージャケット使用のスーベニアジャケット ドレスシャツ型のダックハンター迷彩ジャケット
ダックハンターパターンのM65フィールドジャケット その1
ダックハンターパターンのツナギ その1
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
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Posted by ビッキー池田  at 14:06 │Comments(0)その他

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