2011年03月01日
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
こんばんは。ビッキー池田です。キャンプ・ビッキーやヤフーオークションの方が忙しく、なかなか更新できず申し訳ありません。アメリカ陸軍特殊部隊群(グリーンベレー)で着用されたOG-107ユーティリティシャツの4thタイプ(TCU型ボタン使用の3rdタイプ)をご紹介致します。
トロピカルコンバットユニフォーム(TCU:通称ジャングルファティーグ)採用以前ですと、東南アジアで活動していたグリーンベレー隊員はOG-107の1stタイプ以前のユーティリティユニフォームをよく着用していました。この写真右のユーティリティユニフォームを着用したグリーンベレー大尉は兵科章が防空砲兵です。特殊部隊で防空砲兵は珍しいように感じますが、どういうわけか同時期の写真で他にも防空砲兵科のグリーンベレー隊員が複数確認できます。写真左のモンタニヤードはM51(M1951)フィールドジャケットを着用していますが、防寒用に着ているわけではなく、白いシャツの上から通常の戦闘服として着用しているようです。

しかし、TCUが米軍に採用されたり、ダックハンター、タイガーストライプ、リーフといった迷彩服が普及されたりという理由で、3rdタイプや4thタイプをベトナム戦争時のグリーンベレー隊員が着ている写真は少ないです。着ている写真も基地の中など後方地域の写真が多いように思います。


この写真は1967年11月18日にタイ王国で撮影された写真で、第46特殊部隊中隊の少尉がクロスボウ(ボウガン)を持っています。
自分のコレクションの4thタイプには珍しい徽章が縫い付けられています。

やはり注目すべきは右胸ポケットのパッチで・・・。

右胸ポケットのパッチはフルカラーカットエッジの第82空挺師団のRECONDOスクールのパッチとなり、縫い付けられている関係で右胸ポケットは使用できません。着用者はRECONDOスクールの訓練課程を修了した隊員だったようです。右胸にはコットン製ネームテープ、右襟には中尉階級章、右袖にはメロウエッジの第173空挺旅団SSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)が縫い付けられています。

左胸にはコットン製のU.S. ARMYテープとベーシック降下章とローカルメイド品のCIB(Combat Infantry Badge:戦闘歩兵章)、左襟には歩兵科兵科章、左袖にはメロウエッジのグリーンベレーのSSIが縫い付けられています。なお、このユーティリティシャツのコントラクトNoはDSA-100-3722で、裁断は全てダブルのタイプです。
ちなみにこのユーティリティシャツと同一人物着用のフィールドジャケットも売られていましたが、そちらはRECONDO Schoolのパッチは付いていませんでした。
ベトナムなどの東南アジア地域での3rdタイプ以降のユーティリティユニフォームの使用例は少ないと書きましたが、それ以外の地域では比較的多く確認できます。

こちらは1976年に撮影された第1特殊部隊群(1st Special Force Group)の韓国分遣隊(Korea Detachment)の写真で、全員がユーティリティユニフォームを着ています。画質が荒くて分かりにくいですが、右胸に韓国陸軍の降下章や空輸特戦団(特戦司)の旅団パッチを付けた隊員もいるようです。なお、前列の左から2番目の人はグリーンベレー隊員ではなく空輸特戦団の隊員で、前列右端の人はKATUSA(Korean Augmentation Troops to the United States Army)の隊員となります。
残念ながら旅団パッチは付いていませんが、韓国軍の降下章が付いたものを自分は入手しました。


右胸には韓国陸軍の基礎降下章とコットン製ネームテープが縫い付けられています。

左胸にはナイロン製のU.S. ARMYテープとCIB、左襟には歩兵科の兵科章、左袖にはメロウエッジのグリーンベレーのSSIが縫い付けられています。また、左胸には他に降下章、右袖には第173空挺旅団SSIが付いていたようです。ベトナム戦争を第173空挺旅団で経験した隊員がグリーンベレーに入り、韓国に駐留していたということになります。また、左袖のグリーンベレーのSSIの下には本来第82空挺師団のSSIが付いていたようです。

襟のところにネームテープと同じCLAYという名前が書かれています。なお、このユーティリティシャツのコントラクトNoはDSA100-68-C-1926で、生産メーカーは「J.H. RUTER-REX MFG. CO., INC.」です。裁断は全てダブルのタイプとなります。
前回のヌードルパターンの記事に引き続き、今回もグリーンベレー関係で来ましたが、次回の更新もおそらくグリーンベレー関係になるかと思います。
以下の記事も参考にどうぞ。
戦後米軍ユーティリティシャツの基本バリエーション
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rdタイプ&4thタイプその1
米軍ユーティリティシャツ(ローカルメイド、民生品等)その1
米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
ベトナム戦争時の米軍におけるトンプソンSMG
ベトナム戦争時の米軍におけるステンガン
米軍及び南ベトナム軍とUZI
トロピカルコンバットユニフォーム(TCU:通称ジャングルファティーグ)採用以前ですと、東南アジアで活動していたグリーンベレー隊員はOG-107の1stタイプ以前のユーティリティユニフォームをよく着用していました。この写真右のユーティリティユニフォームを着用したグリーンベレー大尉は兵科章が防空砲兵です。特殊部隊で防空砲兵は珍しいように感じますが、どういうわけか同時期の写真で他にも防空砲兵科のグリーンベレー隊員が複数確認できます。写真左のモンタニヤードはM51(M1951)フィールドジャケットを着用していますが、防寒用に着ているわけではなく、白いシャツの上から通常の戦闘服として着用しているようです。

しかし、TCUが米軍に採用されたり、ダックハンター、タイガーストライプ、リーフといった迷彩服が普及されたりという理由で、3rdタイプや4thタイプをベトナム戦争時のグリーンベレー隊員が着ている写真は少ないです。着ている写真も基地の中など後方地域の写真が多いように思います。


この写真は1967年11月18日にタイ王国で撮影された写真で、第46特殊部隊中隊の少尉がクロスボウ(ボウガン)を持っています。
自分のコレクションの4thタイプには珍しい徽章が縫い付けられています。
やはり注目すべきは右胸ポケットのパッチで・・・。
右胸ポケットのパッチはフルカラーカットエッジの第82空挺師団のRECONDOスクールのパッチとなり、縫い付けられている関係で右胸ポケットは使用できません。着用者はRECONDOスクールの訓練課程を修了した隊員だったようです。右胸にはコットン製ネームテープ、右襟には中尉階級章、右袖にはメロウエッジの第173空挺旅団SSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)が縫い付けられています。
左胸にはコットン製のU.S. ARMYテープとベーシック降下章とローカルメイド品のCIB(Combat Infantry Badge:戦闘歩兵章)、左襟には歩兵科兵科章、左袖にはメロウエッジのグリーンベレーのSSIが縫い付けられています。なお、このユーティリティシャツのコントラクトNoはDSA-100-3722で、裁断は全てダブルのタイプです。
ちなみにこのユーティリティシャツと同一人物着用のフィールドジャケットも売られていましたが、そちらはRECONDO Schoolのパッチは付いていませんでした。
ベトナムなどの東南アジア地域での3rdタイプ以降のユーティリティユニフォームの使用例は少ないと書きましたが、それ以外の地域では比較的多く確認できます。

こちらは1976年に撮影された第1特殊部隊群(1st Special Force Group)の韓国分遣隊(Korea Detachment)の写真で、全員がユーティリティユニフォームを着ています。画質が荒くて分かりにくいですが、右胸に韓国陸軍の降下章や空輸特戦団(特戦司)の旅団パッチを付けた隊員もいるようです。なお、前列の左から2番目の人はグリーンベレー隊員ではなく空輸特戦団の隊員で、前列右端の人はKATUSA(Korean Augmentation Troops to the United States Army)の隊員となります。
残念ながら旅団パッチは付いていませんが、韓国軍の降下章が付いたものを自分は入手しました。
右胸には韓国陸軍の基礎降下章とコットン製ネームテープが縫い付けられています。
左胸にはナイロン製のU.S. ARMYテープとCIB、左襟には歩兵科の兵科章、左袖にはメロウエッジのグリーンベレーのSSIが縫い付けられています。また、左胸には他に降下章、右袖には第173空挺旅団SSIが付いていたようです。ベトナム戦争を第173空挺旅団で経験した隊員がグリーンベレーに入り、韓国に駐留していたということになります。また、左袖のグリーンベレーのSSIの下には本来第82空挺師団のSSIが付いていたようです。
襟のところにネームテープと同じCLAYという名前が書かれています。なお、このユーティリティシャツのコントラクトNoはDSA100-68-C-1926で、生産メーカーは「J.H. RUTER-REX MFG. CO., INC.」です。裁断は全てダブルのタイプとなります。
前回のヌードルパターンの記事に引き続き、今回もグリーンベレー関係で来ましたが、次回の更新もおそらくグリーンベレー関係になるかと思います。
以下の記事も参考にどうぞ。
戦後米軍ユーティリティシャツの基本バリエーション
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rdタイプ&4thタイプその1
米軍ユーティリティシャツ(ローカルメイド、民生品等)その1
米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
ベトナム戦争時の米軍におけるトンプソンSMG
ベトナム戦争時の米軍におけるステンガン
米軍及び南ベトナム軍とUZI

2011年01月15日
米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。ビッキー池田です。2ヶ月近くこちらのブログを更新できず、誠に申し訳ありませんでした。不定期更新となるかもしれませんが、更新を再開しようと思います。今年の第1回目の更新ですが、今回はずっと自分が探し求めていたアメリカ軍のグリーンベレー隊員着用のヌードルパターン迷彩のジャケットについてです。
ヌードルパターンという迷彩はあまり聞きなれないという方もいらっしゃるかと思います。ヌードルパターン迷彩は大韓民国陸軍の空輸特戦団(特戦司)などで使われていた迷彩で、空輸特戦団迷彩という呼び方のほうが一般的かもしれません。韓国軍でも機甲部隊、空軍特殊部隊、郷土予備軍で色合いなどの違うものが使われていましたし、エルサルバドル軍などでも採用されていたので、自分はこれらをまとめてヌードルパターンと呼んでいます。空輸特戦団では1964年頃に採用され、1980年代まで使用されていました。

この写真の空輸特戦団の隊員が着ているのがヌードルパターン迷彩です。第8軍のSSI付きのユーティリティシャツを着た米軍軍人と第7特殊部隊群のベレーフラッシュが付いたグリーンベレー隊員が一緒にいます。当時の第7特殊部隊群は1960年代から1970年代初期はラオスなどの東南アジア、それ以降は中南米で活動していたので、韓国へ視察に来たときの写真ではないでしょうか。なお、ベトナムに派遣された空輸特戦団でも一部ヌードルパターンは使用されていました。
先ほどの写真で空輸特戦団の隊員とグリーンベレーの隊員が一緒に写っていることからも分かるように、同盟国の特殊部隊ということで、空輸特戦団とグリーンベレーは大変深い関係にありました。そして、韓国にはグリーンベレー第1特殊部隊群(1st Special Force Group)の韓国分遣隊(Korea Detachment)が駐留していたのです。韓国分遣隊は第39特殊部隊分遣隊(39th Special Forces Detachment)とも呼ばれます。そして、ベトナム戦争で軍事顧問たちが南ベトナム軍の迷彩服を着ていたのと同じように・・・。

韓国分遣隊のグリーンベレー隊員もヌードルパターンの戦闘服を着ている場合がありました!空輸特戦団のヌードルパターンの戦闘服には色々なバリエーションがありますが、この写真で使われているのは1960年代の4ポケットのタイプのようです。グリーンベレー隊員の右胸に韓国陸軍の基礎降下章がついています。

この写真左の人はグリーンベレー隊員ですが、米軍のマスターの降下章を左ではなく右胸につけています。サイズの関係で分かりにくくなりましたが、ネームテープには「HENRICKSON」と書いてある下に韓国語でも名前を書いているようです。また、右胸ポケットのフラップに韓国軍の中士(米軍の二等軍曹)の階級章をつけています。

スリーピングシャツの記事でもご紹介しましたが、1970年代に撮影された写真で、スリーピングシャツとヌードルパターンのパンツという興味深い組み合わせです。

写真右のグリーンベレー一等軍曹は右胸ポケットに空輸特戦団第11旅団のパッチを付けています。このようにグリーンベレー隊員も空輸特戦団の旅団パッチをつけることがありました。また、彼は韓国では降下訓練を受けていないのか、右胸には韓国軍の降下章は付いておらず、フィリピン軍のものと思われる降下章が付いています。左胸にCIB(Combat Infantry Badge:戦闘歩兵章)が付いていることから、ベトナム戦争にも参加したようなので、少なくともベトナム、フィリピン、韓国の3国で彼は勤務したようです。なお、写真左の韓国軍少領(米軍の少佐)階級章が1980年以降のタイプなので、1980年代の写真と分かります。この少領のポケットパッチは空輸特戦団司令部のものです。
また、エルサルバドル軍もヌードルパターンを採用していたと書きましたが、エルサルバドルには第7特殊部隊群のグリーンベレー隊員が派遣されていたので、彼らもヌードルパターンを着ていた可能性があります。
さて、今回自分もグリーンベレーの韓国分遣隊で使用されていたヌードルパターン迷彩のジャケットを入手したのですが、当時の写真では見たことがないタイプです。


何と米軍のジャングルファティーグ型です!先に載せた写真でも4ポケットのヌードルパターン迷彩のジャケットは使用されていましたが、ジャングルファティーグ型ではありませんでした。韓国軍官給品のジャングルファティーグ型の戦闘服は存在しないので、これはローカルメイド品やテーラーメイド品だと分かります。なお、グリーンベレーの韓国分遣隊や韓国軍でもジャングルファティーグやERDLリーフは使用されていました。


過去に掲載したジャングルファティーグ風のローカルメイドのジャケットの記事でご紹介した第1通信旅団(1st Signal Brigade)のジャケットと同じく、肩エポレットがあり、3rdタイプ以降のユーティリティシャツのような袖口になっています。また、使われているボタンは米軍のジャングルファティーグなどのものと近い形ですが、色が黒色です。

襟のところにラベルが付いていますが、サイズ表記のみでテーラーの名前などはありません。韓国製のテーラーメイドの被服は結構あるのですが、どういうわけかテーラーの名前が入ったラベル付きのものは比較的少ないです。

左肩にグリーンベレーのSSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)、左胸にマスターの降下章、ナイロン製U.S. ARMYテープが付いています。

もっとも注目すべき徽章はこの韓国陸軍基礎降下章で、サブデュードタイプです。韓国陸軍官給品の徽章でサブデュードタイプが登場したのは1992年頃からで、それまではフルカラーでした。よって、この降下章はローカルメイド品と分かります。なお、ネームテープはナイロン製テープにスタンプを押したものです。
今回ご紹介したジャケットは生地も韓国軍官給品のものとは違うもので、結構厚手です。BDUが支給される以前の1970年代から1980年代に、「迷彩服を着たいけれどERDLリーフやLCリーフは薄手だし、韓国軍のヌードルパターンはポケット配置が好きじゃないし・・・」というような考えでグリーンベレー隊員がオーダーしたものと思われます。(単にサイズの問題でオーダーしたのかもしれませんが)
なお、ユーティリティユニフォーム、ERDLリーフ、BDUなどの米軍官給品の戦闘服にも空輸特戦団の旅団パッチや韓国軍の降下章をつけた例も見られます。いずれこれらもご紹介できると良いですね。

また、グリーンベレー隊員着用ではありませんが、現在ヤフーオークションにおいて空輸特戦団司令部のパッチ付きのヌードルパターンのジャケットを出品中です!

以下の記事も参考にどうぞ。
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
ヌードルパターンという迷彩はあまり聞きなれないという方もいらっしゃるかと思います。ヌードルパターン迷彩は大韓民国陸軍の空輸特戦団(特戦司)などで使われていた迷彩で、空輸特戦団迷彩という呼び方のほうが一般的かもしれません。韓国軍でも機甲部隊、空軍特殊部隊、郷土予備軍で色合いなどの違うものが使われていましたし、エルサルバドル軍などでも採用されていたので、自分はこれらをまとめてヌードルパターンと呼んでいます。空輸特戦団では1964年頃に採用され、1980年代まで使用されていました。

この写真の空輸特戦団の隊員が着ているのがヌードルパターン迷彩です。第8軍のSSI付きのユーティリティシャツを着た米軍軍人と第7特殊部隊群のベレーフラッシュが付いたグリーンベレー隊員が一緒にいます。当時の第7特殊部隊群は1960年代から1970年代初期はラオスなどの東南アジア、それ以降は中南米で活動していたので、韓国へ視察に来たときの写真ではないでしょうか。なお、ベトナムに派遣された空輸特戦団でも一部ヌードルパターンは使用されていました。
先ほどの写真で空輸特戦団の隊員とグリーンベレーの隊員が一緒に写っていることからも分かるように、同盟国の特殊部隊ということで、空輸特戦団とグリーンベレーは大変深い関係にありました。そして、韓国にはグリーンベレー第1特殊部隊群(1st Special Force Group)の韓国分遣隊(Korea Detachment)が駐留していたのです。韓国分遣隊は第39特殊部隊分遣隊(39th Special Forces Detachment)とも呼ばれます。そして、ベトナム戦争で軍事顧問たちが南ベトナム軍の迷彩服を着ていたのと同じように・・・。

韓国分遣隊のグリーンベレー隊員もヌードルパターンの戦闘服を着ている場合がありました!空輸特戦団のヌードルパターンの戦闘服には色々なバリエーションがありますが、この写真で使われているのは1960年代の4ポケットのタイプのようです。グリーンベレー隊員の右胸に韓国陸軍の基礎降下章がついています。

この写真左の人はグリーンベレー隊員ですが、米軍のマスターの降下章を左ではなく右胸につけています。サイズの関係で分かりにくくなりましたが、ネームテープには「HENRICKSON」と書いてある下に韓国語でも名前を書いているようです。また、右胸ポケットのフラップに韓国軍の中士(米軍の二等軍曹)の階級章をつけています。

スリーピングシャツの記事でもご紹介しましたが、1970年代に撮影された写真で、スリーピングシャツとヌードルパターンのパンツという興味深い組み合わせです。

写真右のグリーンベレー一等軍曹は右胸ポケットに空輸特戦団第11旅団のパッチを付けています。このようにグリーンベレー隊員も空輸特戦団の旅団パッチをつけることがありました。また、彼は韓国では降下訓練を受けていないのか、右胸には韓国軍の降下章は付いておらず、フィリピン軍のものと思われる降下章が付いています。左胸にCIB(Combat Infantry Badge:戦闘歩兵章)が付いていることから、ベトナム戦争にも参加したようなので、少なくともベトナム、フィリピン、韓国の3国で彼は勤務したようです。なお、写真左の韓国軍少領(米軍の少佐)階級章が1980年以降のタイプなので、1980年代の写真と分かります。この少領のポケットパッチは空輸特戦団司令部のものです。
また、エルサルバドル軍もヌードルパターンを採用していたと書きましたが、エルサルバドルには第7特殊部隊群のグリーンベレー隊員が派遣されていたので、彼らもヌードルパターンを着ていた可能性があります。
さて、今回自分もグリーンベレーの韓国分遣隊で使用されていたヌードルパターン迷彩のジャケットを入手したのですが、当時の写真では見たことがないタイプです。
何と米軍のジャングルファティーグ型です!先に載せた写真でも4ポケットのヌードルパターン迷彩のジャケットは使用されていましたが、ジャングルファティーグ型ではありませんでした。韓国軍官給品のジャングルファティーグ型の戦闘服は存在しないので、これはローカルメイド品やテーラーメイド品だと分かります。なお、グリーンベレーの韓国分遣隊や韓国軍でもジャングルファティーグやERDLリーフは使用されていました。
過去に掲載したジャングルファティーグ風のローカルメイドのジャケットの記事でご紹介した第1通信旅団(1st Signal Brigade)のジャケットと同じく、肩エポレットがあり、3rdタイプ以降のユーティリティシャツのような袖口になっています。また、使われているボタンは米軍のジャングルファティーグなどのものと近い形ですが、色が黒色です。
襟のところにラベルが付いていますが、サイズ表記のみでテーラーの名前などはありません。韓国製のテーラーメイドの被服は結構あるのですが、どういうわけかテーラーの名前が入ったラベル付きのものは比較的少ないです。
左肩にグリーンベレーのSSI(Shoulder Sleeve Insignia : 肩用部隊章)、左胸にマスターの降下章、ナイロン製U.S. ARMYテープが付いています。
もっとも注目すべき徽章はこの韓国陸軍基礎降下章で、サブデュードタイプです。韓国陸軍官給品の徽章でサブデュードタイプが登場したのは1992年頃からで、それまではフルカラーでした。よって、この降下章はローカルメイド品と分かります。なお、ネームテープはナイロン製テープにスタンプを押したものです。
今回ご紹介したジャケットは生地も韓国軍官給品のものとは違うもので、結構厚手です。BDUが支給される以前の1970年代から1980年代に、「迷彩服を着たいけれどERDLリーフやLCリーフは薄手だし、韓国軍のヌードルパターンはポケット配置が好きじゃないし・・・」というような考えでグリーンベレー隊員がオーダーしたものと思われます。(単にサイズの問題でオーダーしたのかもしれませんが)
なお、ユーティリティユニフォーム、ERDLリーフ、BDUなどの米軍官給品の戦闘服にも空輸特戦団の旅団パッチや韓国軍の降下章をつけた例も見られます。いずれこれらもご紹介できると良いですね。

また、グリーンベレー隊員着用ではありませんが、現在ヤフーオークションにおいて空輸特戦団司令部のパッチ付きのヌードルパターンのジャケットを出品中です!

以下の記事も参考にどうぞ。
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
