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Posted by ミリタリーブログ  at 

2009年07月31日

M1967キャンティーンカバー

 こんばんは。ビッキー池田です。だいぶ更新が遅れてしまいましたが、今回はM1967キャンティーンポーチについて紹介します。

 M1967キャンティーンカバーはナイロン製装備のM1967(M67)MLCE(Modernized Load-Carrying Equipment)を構成するキャンティーンカバーです。他のM1967装備と共にベトナム戦争後期から米軍で使用されていましたが、M1967装備だけでまとまって使用されることはほぼ無かったようで、M1956装備と混ぜて使われていました。ナム戦中の米軍では特殊部隊で多く確認できます。また、米軍以外では南ベトナム軍の空挺部隊などで使われていました。



 1973年にALICE装備が採用された後も80年代初期までM1967キャンティーンカバーはALICE装備と混用で使われていました。

 レバノンに派遣された海兵隊の装備です。


 グレナダ侵攻時の写真です。サイズを小さくしたら分かりにくくなりましたが、左から2番目の人が後期型のM1967キャンティーンカバーを使用しているようです。なお、キャンティーンカバー以外のM1967装備も一部のM1956装備と共に80年代初期まで使われましたが、その中でサスペンダーはM1956型と共に一部では2000年代初期まで使われていたようです。


 さて、M1967キャンティーンカバーのバリエーションですが、通常はプラボタンのものを初期型、金属(真鍮)ボタンのものを後期型と呼ぶことが多いですが、ここでは金属ボタンを使用したいわゆる後期型を中期型と分類します。

 左から順番に初期型、中期型、後期型です。初期型はプラボタン使用のタイプ、中期型が金属ボタン使用のタイプで、両者にはボタンの素材以外に作りの違いはありません。そして、後期型は中期型と同じ金属ボタン使用ですが、初期型と中期型は表面に縦4本の縫い目があるのに対し、後期型は縦4本と横2本の縫い目があります。後期型がLC-1型と分類されていることがありますが、それは間違いのようです。横2本の縫い目ですが、キャンティーンカップの縁がちょうど当たる位置にあり、縫い目の下にはキャンティーンカップの縁のための補強の生地が入っています。


 初期型(左)と中期型(右)のスタンプの比較です。両方のタイプが生産されていた年があったことが分かります。中期型は73年ごろまでは生産されていたようです。


 中期型(左)と後期型(右)のスタンプの比較です。M1967の表記が後期型になって増えています。後期型は74年から75年ごろまで生産されていたようです。そのため、ベトナム戦争では使用されなかったと思われます。

 後期型ですが、まだ他にも特徴があります。

 後期型(左)と中期型(右)以前では蓋の裏側の補強が違います。蓋の裏側の補強がLC-1型以降と同じように厚手の生地になっているのが後期型の特徴です。また、中期型以前では表面の縦の縫い目のうち内側の2本の上部が縫い付けられていましたが、後期型ではそれがありません。中期型以前ではキャンティーンカバーに立体感を出すために塗っていたようですが、コスト削減のためか後期型では縫わなくなりました。

 ちなみにLC-1型とM1967の後期型の比較もしたかったのですが、手元にLC-1型がありません。LC-1型は生産期間が短い上にLC-2型との違いが僅かなため、たいていのショップでは同じものとして扱われています。数が少ない上にショップでは区別されていないので入手困難ですが、入手に成功したらLC-1型とM1967の後期型の比較も行おうと思います。


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Posted by ビッキー池田  at 16:00Comments(1)ポーチ類

2009年07月13日

ダックハンタージャケット使用のスーベニアジャケット

 こんばんは。ビッキー池田です。今回はベトナム戦争当時に作られたダックハンター迷彩のジャケット使用のスーベニアジャケットを紹介します。


 ベトナム戦争に参加し、帰国が近づいた将兵の中には記念品を購入したがる人が居たようです。彼らのために刺繍やペイントやパッチ取り付けなどを施したジャケットをスーベニアジャケットやツアージャケットなどと呼びます。これに使われるジャケット自体は民製品やローカルメイドのジャンパーやパラシュート生地やポンチョライナー生地で作った服などのこともありますし、米軍で使われていたジャングルファティーグジャケットやERDLリーフジャケットのこともありました。また、ベトナム戦争時のものが有名ですが、それ以外の紛争のときに作られたものや日本など海外での勤務を記念して作ったものなどもあります。

 今回紹介するものはKAMO社のダックハンター迷彩のジャケットを使用しているものです。ダックハンター迷彩のパラシュート生地で作ったジャケットをスーベニアジャケットにしたものは良く見ると思いますが、それ以外のダックハンター迷彩のジャケットを使用したスーベニアジャケットは珍しいと思います。



 第173空挺旅団の将兵が注文もしくは自作したのでしょうか。背中側に刺繍がしてあります。第173空挺旅団がAn Kheで活動するようになったのは1968年からと思いますが、1965年にAn Kheで戦闘中だった第1騎兵師団を救援に行ったそうです。1965年にAn Kheで実戦という地獄を経験した後、1966年に無事帰国したのでしょう。もちろん知識不足の業者がナム戦後に作ったレプリカの可能性も捨て切れませんが、刺繍の感じ的に当時刺繍されたように思います。

 服自体は一般的なKAMO社のダックハンターパターンジャケットで、13スターボタン使用で3ポケットタイプです。また、ラベルも一部判読できないものの、残っています。



 以下の記事も参考にどうぞ。
ダックハンターの迷彩パターン考察
ドレスシャツ型のダックハンター迷彩ジャケット
ダックハンターパターンのM65フィールドジャケット その1
ダックハンターパターンのツナギ その1
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
ダックハンター迷彩の帽子(ローカルメイド、民生品等) その1


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Posted by ビッキー池田  at 01:53Comments(0)衣類

2009年07月07日

米軍ユーティリティシャツ(ローカルメイド、民生品等)その1

 こんばんは。ビッキー池田です。今回は民生品やローカルメイドのユーティリティシャツを3点紹介します。


 1954年頃にそれまでのHBT生地のユーティリティユニフォームに代わって、コットンサテン生地のユーティリティユニフォームが採用されました。これがいわゆるOG107ユーティリティです。米軍将兵は支給されるユーティリティ以外にPXで販売されていた民生品のユーティリティや現地製のローカルメイドやテーラーメイドのユーティリティを購入して使っていました。




 これは有名なBVD社製のユーティリティシャツです。2ndタイプ型の形状ですが、ボタンが4thタイプやTCU(Tropical Combat Uniform : トロピカルコンバットユニフォーム)のものになっています。


 多くの2ndタイプ型民生品などと同じように肩の裁断が官給品の2ndタイプ(写真下側)と違います。



 また、前あわせの裁断も2ndタイプ(写真左側)と違います。前あわせの折り返し部分の端を縫い付けるのはBVD社のユーティリティシャツの特徴のようです。




 こちらはBVD社製に次いで有名と思われるTROPPER社製のユーティリティシャツです。ナイロン製ARMY章、コットン製ネームテープ、大尉階級章、憲兵科兵科章、メロウエッジタイプの第81地域支援司令部(81st Regional Support Command)のSSIが縫い付けられています。第81地域支援司令部は1946年に解体された第81歩兵師団の部隊章やモットーを受け継いだ部隊でベトナム戦争や湾岸戦争で作戦の支援にあたっていました。この部隊は2003年に第81地域準備司令部(81st Regional Readiness Command)に改編され、現在でも活動しているようです。


 基本的には4thタイプ型なのですが、4thタイプ(写真右側)このようにポケットの裁断が違います。また、一部に白い糸が使われていますし、袖ボタンがありません。



 こちらのユーティリティシャツは3rdタイプ型ですが、袖ボタンがありません。フルカラーのARMY章と似たデザインのVMIと書かれたテープがついています。VMIとはおそらくVirginia Military Institute(ヴァージニア州立軍事大学)のことと思われ、ヴァージニア州立軍事大学はROTC(予備役将校訓練課程)制度を導入している大学の1つです。詳細は不明ですが、このユーティリティシャツはヴァージニア州立軍事大学のROTC生が訓練の際に着用していたものと思われます。


 メーカーは不明ですが、TROPPER社のもの(写真左側)と同じように一部に白い糸を使っていたり、袖ボタンがなかったりするので、もしかするとこれもTROPPER製かもしれません。



 以下の記事も参考にどうぞ。
戦後米軍ユーティリティシャツの基本バリエーション
OG-107ユーティリティシャツ2ndタイプ
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rdタイプ&4thタイプ
米軍OG-507ユーティリティシャツ改造品
米軍ユーティリティシャツ(ローカルメイド、民生品等)その2
夏季・熱帯用ユーティリティ(ローカルメイド、民生品等)その1
テストサンプルユーティリティシャツ


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Posted by ビッキー池田  at 01:48Comments(0)衣類