2009年06月14日
ダックハンターの迷彩パターン考察
こんばんは。ビッキー池田です。今回はベトナム戦争頃のローカルメイドや民生品のダックハンター迷彩の衣類について紹介します。いろいろと情報が不足していたので、過去に書いたダックハンター関係の記事は1度消して、また書き直すことにしました。よって、まずは基本的なダックハンターの迷彩パターン(模様)について考えてみようと思います。確定情報だけでなく、推測も多く含まれるのでご注意ください。
というわけで、民生品やローカルメイドのダックハンター迷彩の先祖について考えてみようと思います。先祖はやはり1942年に米軍で採用されたフロッグスキンパターンです。WWII時に登場した迷彩パターンのパラシュートの迷彩もダックハンター迷彩の一種ですが、フロッグスキンパターンの5色(茶色系のパターンは3色)に対し、パラシュート生地の迷彩は3色しか使っていないので、後の民生品やローカルメイドのダックハンター迷彩の先祖となったのはフロッグスキンの方と考えられます。パラシュート生地の迷彩とフロッグスキンのどちらが先に登場したかは資料不足で分かりませんが、迷彩パターン自体は基本的に同じようなので、どちらかが先に採用された方を参考にしているのは間違いないでしょう。
フロッグスキンのポンチョ生地(青っぽい方)とパラシュート生地(黄色っぽい方)の迷彩パターンの比較写真です。比較しやすいようにペイントでいくつか印を付けました。黒い印がついている模様は両方の生地で確認できる模様で、赤い印がついている模様は本来同じ模様と考えられるものの彩色の関係で別の模様になっている模様です。
さて、次に1950年代初期にフロッグスキンを参考にKAMO社が民間向けのダックハンター迷彩の衣類を作りました。これが民生品ダックハンターの走りと考えられます。このKAMO社のものはベトナム戦争で米軍と南ベトナム軍によく使われたことで有名です。他にはピッグス湾事件で亡命キューバ人が着用していたのもKAMO社のものと考えられています。次の写真はピッグスワン事件時の亡命キューバ人の写真で、KAMO社のダックハンター迷彩もしくはそのコピー品を着ているようです。KAMO社のダックハンター迷彩の売り上げが良かったためか、Black Sheep社やKodiak King社でKAMO社のものをコピーした迷彩パターンのものが作られました。
フロッグスキンパターンのポンチョ生地(左)とKAMO社のコピー品の生地(右)の比較です。彩色はポンチョ生地との比較ということもありまったく違いますが、迷彩パターンはほとんど違いがありません。
そして、KAMO社の完全なコピーの迷彩パターン以外に彩色を変更したものや柄を簡略化したもの、柄を少し変えたものが作られました。これらのコピー品やアレンジ品にはアメリカ国内で生産されてアメリカのメーカーが販売したもの以外に日本、香港などアジアで生産したものをアメリカのメーカーが販売していたものもあったのではと考えられます。
KAMO社のコピー品の生地(右)とそれを簡略化したものの生地(左)の比較です。同じ色の印の部分がKAMO社のものを参考にアレンジしたと思われる柄の例です。その中で黒い印の柄ですが、KAMO社のコピー品では2色が重なっているのに、簡略化したものでは内側の色が省略されています。当時このような柄は2枚の版を重ねてプリントしなければならず、面倒だったので省略されたようです。
KAMO社のコピー品の生地(左)と彩色を変更したものの生地(右)の比較です。KAMO社のコピー品では5色使われているのに対して彩色を変更したものでは4色しか使っていません。しかし、柄はほぼ完全に同じです。
そして、KAMO社のアレンジ品を参考に更にアレンジしたりすれば、KAMO社のものとは大きく違うものになります。そのようにして有名なベオガムパターンなどKAMO社のものと大きく柄の違うものが登場していったのだと思います。ベオガムパターンについてはコレクションがなくて比較写真を載せられないので、KAMO社のコピー品の生地(左)とKAMO社とまったくパターンの違う生地(右)の比較写真を載せてみます。
ちなみに、自分は持っていませんが、フロッグスキンパターンの完全なコピーも民生品やローカルメイドで作られていたようです。これについては米軍のものではなく、フランス軍がインドシナ戦争時に持ち込んだものを現地でコピーした可能性があります。また、フランス軍が持ち込んだフロッグスキンを現地でアレンジしたパターンもあったかもしれません。
今回は生地の比較のみで、ちゃんとコレクションの紹介もできていませんし、参考になる写真もあまり挙げられませんでしたが、次回以降はコレクション紹介とナム戦時の使用写真をたくさん載せていこうと思います。
最後になりましたが、コレクターのM.C.YASUDA氏から多数情報を頂いたので今回の記事を書くことができました。今回執筆した内用の多くは彼から頂いた情報がもとになっています。ご協力ありがとうございました。
以下の記事も参考にどうぞ。
ダックハンタージャケット使用のスーベニアジャケット
ドレスシャツ型のダックハンター迷彩ジャケット
ダックハンターパターンのM65フィールドジャケット その1
ダックハンターパターンのツナギ その1
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
ダックハンター迷彩の帽子(ローカルメイド、民生品等) その1
というわけで、民生品やローカルメイドのダックハンター迷彩の先祖について考えてみようと思います。先祖はやはり1942年に米軍で採用されたフロッグスキンパターンです。WWII時に登場した迷彩パターンのパラシュートの迷彩もダックハンター迷彩の一種ですが、フロッグスキンパターンの5色(茶色系のパターンは3色)に対し、パラシュート生地の迷彩は3色しか使っていないので、後の民生品やローカルメイドのダックハンター迷彩の先祖となったのはフロッグスキンの方と考えられます。パラシュート生地の迷彩とフロッグスキンのどちらが先に登場したかは資料不足で分かりませんが、迷彩パターン自体は基本的に同じようなので、どちらかが先に採用された方を参考にしているのは間違いないでしょう。
フロッグスキンのポンチョ生地(青っぽい方)とパラシュート生地(黄色っぽい方)の迷彩パターンの比較写真です。比較しやすいようにペイントでいくつか印を付けました。黒い印がついている模様は両方の生地で確認できる模様で、赤い印がついている模様は本来同じ模様と考えられるものの彩色の関係で別の模様になっている模様です。
さて、次に1950年代初期にフロッグスキンを参考にKAMO社が民間向けのダックハンター迷彩の衣類を作りました。これが民生品ダックハンターの走りと考えられます。このKAMO社のものはベトナム戦争で米軍と南ベトナム軍によく使われたことで有名です。他にはピッグス湾事件で亡命キューバ人が着用していたのもKAMO社のものと考えられています。次の写真はピッグスワン事件時の亡命キューバ人の写真で、KAMO社のダックハンター迷彩もしくはそのコピー品を着ているようです。KAMO社のダックハンター迷彩の売り上げが良かったためか、Black Sheep社やKodiak King社でKAMO社のものをコピーした迷彩パターンのものが作られました。
フロッグスキンパターンのポンチョ生地(左)とKAMO社のコピー品の生地(右)の比較です。彩色はポンチョ生地との比較ということもありまったく違いますが、迷彩パターンはほとんど違いがありません。
そして、KAMO社の完全なコピーの迷彩パターン以外に彩色を変更したものや柄を簡略化したもの、柄を少し変えたものが作られました。これらのコピー品やアレンジ品にはアメリカ国内で生産されてアメリカのメーカーが販売したもの以外に日本、香港などアジアで生産したものをアメリカのメーカーが販売していたものもあったのではと考えられます。
KAMO社のコピー品の生地(右)とそれを簡略化したものの生地(左)の比較です。同じ色の印の部分がKAMO社のものを参考にアレンジしたと思われる柄の例です。その中で黒い印の柄ですが、KAMO社のコピー品では2色が重なっているのに、簡略化したものでは内側の色が省略されています。当時このような柄は2枚の版を重ねてプリントしなければならず、面倒だったので省略されたようです。
KAMO社のコピー品の生地(左)と彩色を変更したものの生地(右)の比較です。KAMO社のコピー品では5色使われているのに対して彩色を変更したものでは4色しか使っていません。しかし、柄はほぼ完全に同じです。
そして、KAMO社のアレンジ品を参考に更にアレンジしたりすれば、KAMO社のものとは大きく違うものになります。そのようにして有名なベオガムパターンなどKAMO社のものと大きく柄の違うものが登場していったのだと思います。ベオガムパターンについてはコレクションがなくて比較写真を載せられないので、KAMO社のコピー品の生地(左)とKAMO社とまったくパターンの違う生地(右)の比較写真を載せてみます。
ちなみに、自分は持っていませんが、フロッグスキンパターンの完全なコピーも民生品やローカルメイドで作られていたようです。これについては米軍のものではなく、フランス軍がインドシナ戦争時に持ち込んだものを現地でコピーした可能性があります。また、フランス軍が持ち込んだフロッグスキンを現地でアレンジしたパターンもあったかもしれません。
今回は生地の比較のみで、ちゃんとコレクションの紹介もできていませんし、参考になる写真もあまり挙げられませんでしたが、次回以降はコレクション紹介とナム戦時の使用写真をたくさん載せていこうと思います。
最後になりましたが、コレクターのM.C.YASUDA氏から多数情報を頂いたので今回の記事を書くことができました。今回執筆した内用の多くは彼から頂いた情報がもとになっています。ご協力ありがとうございました。
以下の記事も参考にどうぞ。
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