2010年03月26日
ダックハンターパターンのツナギ その1
こんばんは。ビッキー池田です。今回はダックハンター迷彩のツナギについて紹介します。
ダックハンター迷彩のツナギというと、第二次世界大戦時のフロッグスキンパターンのカバーオールを思い浮かべる方も多いかと思います。しかし、今回紹介するのはWWII時のものではなくベトナム戦争時のものです。
WWII時のフロッグスキンパターンのカバーオールを参考にしたからなのかどうかは分かりませんが、WWII後には民生品でダックハンターパターンのカバーオールが作られました。ハンティング用として作られたようですが、米軍特殊部隊での使用も確認されています。
これは1960年代初期のSEALsの写真です。他の人はどうか分かりませんが、左端の人がダックハンターパターンのカバーオールを着ています。右の2人がフード付きの服を着ているのが、珍しいです。
ここで1つ自分のコレクションを紹介します。
胸ポケット2つとポケットフラップ無しの尻ポケット2つというデザインです。迷彩パターンと彩色は香港製のダックハンターでよく見られるタイプで、ベオガムのバリエーションと同じ迷彩パターンで赤っぽい彩色になっています。自分は見たことがありませんが、同じ迷彩パターンのものが日本製にも存在するとも聞きました。なお、自分はこの赤っぽい彩色でベオガムと同じ迷彩パターンのダックハンターを「香港レッドパターン」と呼んでいます。
裾にもサイズ調整用のボタンがついています。
このカバーオールのフロントジッパーはVKKのアルミジッパーです。なお、ラベルが欠品しており、製造メーカーなどは分かりません。
民生品のダックハンター迷彩のツナギ以外に米海兵隊ではダックハンター迷彩のフライトスーツが使用されていました。
HMM-162(Marine Medium Helicopter Squadron 162:第162海兵隊中型ヘリコプター飛行隊)の写真です。ボディアーマー(右側の人のボディアーマーはM1952ですが、左側の人のは判別できません)を着ている2人がダックハンターのフライトスーツを着ています。HMM-162以外にもHMM-261やHMM-364など南ベトナムのダナンで活動していた多くの海兵隊中型ヘリコプター飛行隊での多数の使用を確認しました。
HMM-261の写真です。ダックハンターのフライトスーツは個人単位で購入するローカルメイド品かと思いきや、使用例がその割には多く、実際にはベオガムやタイガーストライプのように米軍の予算で発注されて一部の部隊で支給されたものと思われます。
実物のダックハンターのフライトスーツを見た人の話では日本製のJWDパターン(John Wayne Dense Pattern)のタイガーストライプのフライトスーツとジッパー、ボタン、裁断などが同じで日本のメーカー名が書かれたラベルがついていたとのことです。
HMM-364の写真です。写真の関係で分かりにくいですが、現物を見た人の話では赤っぽい彩色とのことでした。迷彩パターン的には上で載せた「香港レッドパターン」と近いようです。
これもHMM-364の写真になります。ダックハンターのフライトスーツのデザインはこの写真右の人が着ているカーキのフライトスーツ(MIL-C-5390フライトスーツ)とほぼ同じだそうです。
海兵隊が使用していたものとは違うタイプになりますが、ここで自分のコレクションのダックハンターのフライトスーツを紹介します。ジッパー式の胸ポケット2つとポケットフラップなしの尻ポケット2つというスタイルです。
空軍でOV-10ブロンコを運用していた部隊のパイロットが着用していたようで、OV-10ブロンコと少佐階級章とシニアのパイロット章とU.S, AIRFORCEの刺繍が入っています。ただ、これとまったく同じ刺繍が入ったシビリアンリーフ迷彩のフライトスーツを見たことがあるので、近年刺繍を入れられたものの可能性が否定できません。
また、本来はフライトスーツとして作られたものではなく、ハンティング用のツナギにフライトスーツ風のジッパー式ポケットを追加したものと思われます。フロントジッパーはJASONのアルミジッパーで、胸ポケットのジッパーはYKKのアルミジッパーです。
もう1つダックハンターのツナギの紹介です。こちらは上で紹介したフライトスーツの改造のベースとなったものと思われます。ポケットフラップなしの胸ポケット2つとポケットフラップなしの尻ポケット2つというスタイルです。
上で紹介したフライトスーツの改造ベースと思われるツナギと書きましたが、そう考える理由はいくつかあります。まず、フロントジッパーが同じJASONのアルミジッパーですし、胸元の金属ボタンも同型です。そして、裁断もほぼ同じですし、尻ポケットのスタイルも同じで、切り取られたラベルの切れ端がどちらもよく似た黒色になっています。最後に迷彩パターンと彩色がほぼ同じという点があげられます。この迷彩パターンは香港製のダックハンターでよく見られるものなので、このツナギも香港製ではないでしょうか。香港製でハンティング用の民生品によく見られるので、自分はこの迷彩を「香港ハンティングパターン」と呼んでいます。
ちなみに韓国陸軍には空挺部隊用のダックハンターパターンのツナギがありました。以下の写真で着用しているのはやはり韓国兵だと思いますが、詳しいことは分かりません。また、米軍でも韓国軍のダックハンターパターンやヌードルパターンの服が使われていた例があるので、韓国軍の空挺用ツナギも米軍で使われていた可能性があります。
以下の記事も参考にどうぞ。
ダックハンターの迷彩パターン考察
ダックハンタージャケット使用のスーベニアジャケット
ダックハンターパターンのM65フィールドジャケット その1
ドレスシャツ型のダックハンター迷彩ジャケット
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
ダックハンターパターンのツナギ その2
ダックハンター迷彩の帽子(ローカルメイド、民生品等) その1
ダックハンター迷彩のツナギというと、第二次世界大戦時のフロッグスキンパターンのカバーオールを思い浮かべる方も多いかと思います。しかし、今回紹介するのはWWII時のものではなくベトナム戦争時のものです。
WWII時のフロッグスキンパターンのカバーオールを参考にしたからなのかどうかは分かりませんが、WWII後には民生品でダックハンターパターンのカバーオールが作られました。ハンティング用として作られたようですが、米軍特殊部隊での使用も確認されています。
これは1960年代初期のSEALsの写真です。他の人はどうか分かりませんが、左端の人がダックハンターパターンのカバーオールを着ています。右の2人がフード付きの服を着ているのが、珍しいです。
ここで1つ自分のコレクションを紹介します。
胸ポケット2つとポケットフラップ無しの尻ポケット2つというデザインです。迷彩パターンと彩色は香港製のダックハンターでよく見られるタイプで、ベオガムのバリエーションと同じ迷彩パターンで赤っぽい彩色になっています。自分は見たことがありませんが、同じ迷彩パターンのものが日本製にも存在するとも聞きました。なお、自分はこの赤っぽい彩色でベオガムと同じ迷彩パターンのダックハンターを「香港レッドパターン」と呼んでいます。
裾にもサイズ調整用のボタンがついています。
このカバーオールのフロントジッパーはVKKのアルミジッパーです。なお、ラベルが欠品しており、製造メーカーなどは分かりません。
民生品のダックハンター迷彩のツナギ以外に米海兵隊ではダックハンター迷彩のフライトスーツが使用されていました。
HMM-162(Marine Medium Helicopter Squadron 162:第162海兵隊中型ヘリコプター飛行隊)の写真です。ボディアーマー(右側の人のボディアーマーはM1952ですが、左側の人のは判別できません)を着ている2人がダックハンターのフライトスーツを着ています。HMM-162以外にもHMM-261やHMM-364など南ベトナムのダナンで活動していた多くの海兵隊中型ヘリコプター飛行隊での多数の使用を確認しました。
HMM-261の写真です。ダックハンターのフライトスーツは個人単位で購入するローカルメイド品かと思いきや、使用例がその割には多く、実際にはベオガムやタイガーストライプのように米軍の予算で発注されて一部の部隊で支給されたものと思われます。
実物のダックハンターのフライトスーツを見た人の話では日本製のJWDパターン(John Wayne Dense Pattern)のタイガーストライプのフライトスーツとジッパー、ボタン、裁断などが同じで日本のメーカー名が書かれたラベルがついていたとのことです。
HMM-364の写真です。写真の関係で分かりにくいですが、現物を見た人の話では赤っぽい彩色とのことでした。迷彩パターン的には上で載せた「香港レッドパターン」と近いようです。
これもHMM-364の写真になります。ダックハンターのフライトスーツのデザインはこの写真右の人が着ているカーキのフライトスーツ(MIL-C-5390フライトスーツ)とほぼ同じだそうです。
海兵隊が使用していたものとは違うタイプになりますが、ここで自分のコレクションのダックハンターのフライトスーツを紹介します。ジッパー式の胸ポケット2つとポケットフラップなしの尻ポケット2つというスタイルです。
空軍でOV-10ブロンコを運用していた部隊のパイロットが着用していたようで、OV-10ブロンコと少佐階級章とシニアのパイロット章とU.S, AIRFORCEの刺繍が入っています。ただ、これとまったく同じ刺繍が入ったシビリアンリーフ迷彩のフライトスーツを見たことがあるので、近年刺繍を入れられたものの可能性が否定できません。
また、本来はフライトスーツとして作られたものではなく、ハンティング用のツナギにフライトスーツ風のジッパー式ポケットを追加したものと思われます。フロントジッパーはJASONのアルミジッパーで、胸ポケットのジッパーはYKKのアルミジッパーです。
もう1つダックハンターのツナギの紹介です。こちらは上で紹介したフライトスーツの改造のベースとなったものと思われます。ポケットフラップなしの胸ポケット2つとポケットフラップなしの尻ポケット2つというスタイルです。
上で紹介したフライトスーツの改造ベースと思われるツナギと書きましたが、そう考える理由はいくつかあります。まず、フロントジッパーが同じJASONのアルミジッパーですし、胸元の金属ボタンも同型です。そして、裁断もほぼ同じですし、尻ポケットのスタイルも同じで、切り取られたラベルの切れ端がどちらもよく似た黒色になっています。最後に迷彩パターンと彩色がほぼ同じという点があげられます。この迷彩パターンは香港製のダックハンターでよく見られるものなので、このツナギも香港製ではないでしょうか。香港製でハンティング用の民生品によく見られるので、自分はこの迷彩を「香港ハンティングパターン」と呼んでいます。
ちなみに韓国陸軍には空挺部隊用のダックハンターパターンのツナギがありました。以下の写真で着用しているのはやはり韓国兵だと思いますが、詳しいことは分かりません。また、米軍でも韓国軍のダックハンターパターンやヌードルパターンの服が使われていた例があるので、韓国軍の空挺用ツナギも米軍で使われていた可能性があります。
以下の記事も参考にどうぞ。
ダックハンターの迷彩パターン考察
ダックハンタージャケット使用のスーベニアジャケット
ダックハンターパターンのM65フィールドジャケット その1
ドレスシャツ型のダックハンター迷彩ジャケット
韓国軍海兵隊のダックハンター迷彩ジャケット
ダックハンターパターンのツナギ その2
ダックハンター迷彩の帽子(ローカルメイド、民生品等) その1
米陸軍特殊部隊群パッチ付きリーフ迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット
米軍手描き迷彩のジャングルファティーグ その3
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rd&4thタイプその2
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット
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米軍徽章付きユーティリティシャツ3rd&4thタイプその2
以前三島軍曹がアームズマガジンかコンバットマガジンのどちらかの本のインタビューで「ツナギが欲しかったけど山奥だからなかなか手に入らなかった」とコメントを残していますが、実際に着ている写真を見るのはパイロットの写真以外では初めてです!!でもなんでツナギが必要だったんでしょうね??そこが謎です!!
>イッシー様
初期のSEALsやグリーンベレーなどではかなりの割合でダックハンター迷彩の服が使用されています。初期に限っていえば、タイガーストライプ迷彩よりだいぶ使用例が多いかと。しかし、ツナギ型の使用例はほとんどないのですが。・・・自分でSEALsと紹介しておいて何なのですが、今回ご紹介したSEALsの写真は本物のSEALsの写真にしてはいろいろと胡散臭い気もしますし。
三島軍曹がなぜツナギを欲しがったかは謎ですね~。単純にワンピース構造なのが便利だったためでしょうか。空挺降下時にはツナギが良いということもあるのですが、三島軍曹の場合はそういうことではない気がします。
ちなみに米軍においてフライトスーツ以外のツナギ型の服はWW2時から存在しています。ベトナム戦争時にもOG-107カラーのツナギがありました。
>かめ様
図々しいだなんてとんでもないです!コメント大歓迎ですので、今後ともよろしくお願いいたします。
出張中のため、ご紹介頂いたHPの方をちゃんとチェックできないのですが、帰宅後じっくりと拝見させていただきます!
なるほど、グリーンベレーと一緒に写っているあたりも空輸特戦団のように見えますね。ご紹介頂いた写真でも多数空挺ツナギが確認できてなかなか興味深いです。クーデター時にも空挺ツナギは使われていましたよね。
U.S.A.F.の刺繍が入ったつなぎが渋くていい感じです。状態もかなりよいですね。私はダックハンターは集めていなかったのですが、これからは注意して探したいと思います。(簡単には見つからないと思いますが)
先ほどかめ様がご紹介されている「special forces association-korea」なるHPを拝見しましたが、韓国陸軍の空輸特戦団のポケットパッチを縫い付けたBDUやLC-1型リーフを着用したグリーンベレー隊員や韓国軍のヌードルパターンの戦闘服を着用したグリーンベレー隊員の写真が多数あって大変楽しいHPでした。皆様もご覧になると良いかと思います。
>Willard様
お久し振りです。PCの復旧おめでとうございます!
基本的に自分は当時物だけコレクションする方針なのですが、この刺繍入りのダックハンターはあまりにかっこいい刺繍なので、当時物か微妙でも購入してしまいました。今回の出張で幸運にももう1着刺繍入りのダックハンターを入手できたので、いずれご紹介します。
バリエーションを集めようとなるとダックハンターはどんな迷彩よりも過酷な道となりますが、ハンティング用の裾ポケット×2や裾ポケット×2+胸ポケット+1のタイプであれば、割と手軽に入手可能かと思います。収集を開始する上で何か分からないことがあれば、お気軽にご質問なさってくださいね。