2009年05月10日
米軍サイドジッパー付きブーツ(官給品改造品)
こんばんは。ビッキー池田です。今回は米軍官給品のブーツの改造品と思われるサイドジッパー付きのブーツを2足紹介します。
これまでに米軍官給品でサイドジッパー式のブーツは存在しなかったと思われます。ブーツが無ければ行軍できません。なので、壊れる可能性のあるサイドジッパー式のブーツを採用したとは考えにくいのです。火災の際に火傷を負う可能性もあり、CVC(Combat Vehicle Crew)用やフライト用のブーツとしても採用されたとはも思えません。よって、今回紹介する2つのブーツには米軍官給品を示す刻印があるようですが、官給品を個人で改造したものと判断します。もしかすると、試作品かもしれません。



交換後まただいぶ磨り減ったようですが、ソールは交換されています。1950年代から1960年代中期まで生産されたツウキャップ(つま先の補強)付きの黒革製コンバットブーツを改造したもののようです。
余談ですが、黒革製でも茶革製でもツウキャップ付きのブーツはよくジャンプブーツと間違えられますが、それは違います。ブーツの外側側面の縫い目、先端の形状、ツウキャップの縫い目などがジャンプブーツとその他のツウキャップ付きブーツでは違います。文章だけでは分かりにくいと思うので、いずれ写真を挙げて紹介したいと思いますが、茶革製ジャンプブーツをまだ入手していないのでいつの更新になるか分かりません。

改造なしの同時期の黒革製コンバットブーツとの刻印の比較です。見にくいと思いますが、改造なしの方は「10N GJ 7-65」、サイドジッパー付きは「10R ?? 7-62」と表記されています。最初の10Nと10Rはサイズ表記、最後の7-65と7-62は65年製と62年製を示しているようですが、他は調査中です。刻印から本来は官給品であることが分かります。


TALONのブラスジッパーが使われています。片方は上部がそろっているのに、片方は上部が揃っていないという縫い方の適当さが試作品ではなく改造品であるという感じを出しています。
2足目は1960年代中期から1970年代中期まで生産されたタイプの黒革製コンバットブーツを改造したもののようです。



1960年代中期から黒革製コンバットブーツのソールはシェブロン型ソールに代わりました。これはそのシェブロン型ソールのブーツの改造品のようです。また、ジッパーは1足目のブーツのものと同型と思われるTALONのブラスジッパーが使われています。

同時期の黒革製コンバットブーツ(厳密にはこちらは上半分と下半分のアイレットの間に隙間のある1970年代中期から1980年代中期まで生産されていたタイプですが)との刻印の比較です。見にくいと思いますが、改造なしの方は「7 1/2W PJ 5-76」、サイドジッパー付きは「11N GJ 11-73」と表記されています。
ジッパーが同型と思われること、ジッパー周辺部分の縫い方が似ていることから考えると、同一業者(もしくは同一人物)による改造品の可能性が考えられます。官給品改造品ですが、米軍将兵の使用品ではなく、放出後に民間で改造されたものである可能性も否定できません。なお、自分はこの2足のブーツをどちらとも同じ方から購入しました。
これまでに米軍官給品でサイドジッパー式のブーツは存在しなかったと思われます。ブーツが無ければ行軍できません。なので、壊れる可能性のあるサイドジッパー式のブーツを採用したとは考えにくいのです。火災の際に火傷を負う可能性もあり、CVC(Combat Vehicle Crew)用やフライト用のブーツとしても採用されたとはも思えません。よって、今回紹介する2つのブーツには米軍官給品を示す刻印があるようですが、官給品を個人で改造したものと判断します。もしかすると、試作品かもしれません。
交換後まただいぶ磨り減ったようですが、ソールは交換されています。1950年代から1960年代中期まで生産されたツウキャップ(つま先の補強)付きの黒革製コンバットブーツを改造したもののようです。
余談ですが、黒革製でも茶革製でもツウキャップ付きのブーツはよくジャンプブーツと間違えられますが、それは違います。ブーツの外側側面の縫い目、先端の形状、ツウキャップの縫い目などがジャンプブーツとその他のツウキャップ付きブーツでは違います。文章だけでは分かりにくいと思うので、いずれ写真を挙げて紹介したいと思いますが、茶革製ジャンプブーツをまだ入手していないのでいつの更新になるか分かりません。

改造なしの同時期の黒革製コンバットブーツとの刻印の比較です。見にくいと思いますが、改造なしの方は「10N GJ 7-65」、サイドジッパー付きは「10R ?? 7-62」と表記されています。最初の10Nと10Rはサイズ表記、最後の7-65と7-62は65年製と62年製を示しているようですが、他は調査中です。刻印から本来は官給品であることが分かります。
TALONのブラスジッパーが使われています。片方は上部がそろっているのに、片方は上部が揃っていないという縫い方の適当さが試作品ではなく改造品であるという感じを出しています。
2足目は1960年代中期から1970年代中期まで生産されたタイプの黒革製コンバットブーツを改造したもののようです。
1960年代中期から黒革製コンバットブーツのソールはシェブロン型ソールに代わりました。これはそのシェブロン型ソールのブーツの改造品のようです。また、ジッパーは1足目のブーツのものと同型と思われるTALONのブラスジッパーが使われています。
同時期の黒革製コンバットブーツ(厳密にはこちらは上半分と下半分のアイレットの間に隙間のある1970年代中期から1980年代中期まで生産されていたタイプですが)との刻印の比較です。見にくいと思いますが、改造なしの方は「7 1/2W PJ 5-76」、サイドジッパー付きは「11N GJ 11-73」と表記されています。
ジッパーが同型と思われること、ジッパー周辺部分の縫い方が似ていることから考えると、同一業者(もしくは同一人物)による改造品の可能性が考えられます。官給品改造品ですが、米軍将兵の使用品ではなく、放出後に民間で改造されたものである可能性も否定できません。なお、自分はこの2足のブーツをどちらとも同じ方から購入しました。

自衛隊の飛行部隊用のブーツは、
航空→前面(紐の部分に後からつけてる様な感じです)
海上→外側サイドジッパー
陸上→内側サイドジッパー
といった感じなのですが。確かに火災を考えると危ないですよね。
フライトブーツに関しては少々説明が足りませんでした。申し訳ありません。サイドジッパー式のフライトブーツは少なくとも自分の知る範囲では官給品にないです。ただし、空軍のFWU-3/Pフライトブーツなどにはブーツジッパーが併用されることがよくありました。予備レンジャー氏の仰る空自のフライトブーツと同様の方式です。この場合はブーツのベロの部分の上にジッパーが来るので火傷の可能性が低いですし、ジッパーが壊れても普通にレース(靴紐)を結びなおせば普通にブーツ自体は使用可能というわけです。
よって、サイドジッパー式ブーツは緊急時の着脱の際に便利と思われますが、火災のことを考えて米軍では制式採用したことがないかと思います。
自衛隊のフライトブーツの話は大変参考になりました。ありがとうございます。海自の外側サイドジッパー式より陸自の内側サイドジッパー方式の方が火災の際の危険性が低そうですね。
ちなみにご存知かと思いますが、米軍特殊部隊などでは官給品以外のサイドジッパー式ブーツを購入して使う場合がありますし、一般部隊でも私物のサイドジッパー式ブーツを使用する将兵も居ます。