2010年03月15日
米軍スペシャルウォーフェアトラウザーズ
こんばんは。ビッキー池田です。今回はベトナム戦争時の米軍で試作されていたスペシャルウォーフェアパンツを紹介します。
スペシャルウォーフェアパンツは1960年代初期に米軍で試験された熱帯用の戦闘服です。これとあわせて着用されるスペシャルウォーフェアジャケットを入手してから、一緒に紹介しようと思っていたのですが、リクエストがあったので今回パンツだけで紹介することにしました。
1960年から米軍では熱帯用戦闘服の研究が始まります。このときT61-3、T64-4などと呼ばれるタイプのものが試作され、これらがスペシャルウォーフェアジャケット&トラウザーズとして試験採用されました。これらはベトナムへ送られて軍事顧問や特殊部隊に1965年ごろまで使用されたようです。しかし、1962年にジャングルファティーグの試作が始まったことを受けて、スペシャルウォーフェアジャケット&トラウザーズの開発と生産は終了しました。

こちらの写真で着用されているのはT61-3とされていますが、半袖に改造したユーティリティシャツと普通のユーティリティトラウザーズを着ているようにしか見えません。1964年の写真で、着用者はグリーンベレー所属とのことです。
M42エアボーンジャケットを参考にしたジャングルファティーグとは違い、スペシャルウォーフェアジャケット&トラウザーズは当時のOG-107ユーティリティユニフォームの1stタイプをかなり参考にしていました。今回紹介するスペシャルウォーフェアトラウザーズも一見普通のユーティリティトラウザーズなのですが・・・。



このように裾にドローコードが入っています。

もう1つの特徴がガスフラップと思われるトラウザーズ内側のパーツです。ガスフラップと「思われる」であって、ガスフラップと断定しない理由ですが、ウッドランド迷彩のBDUトラウザーズで夏季・熱帯用のリップストップ生地のモデルによく似たパーツがあるからです。ウッドランド迷彩のBDUでこのパーツがあるのはリップストップ生地のトラウザーズだけで、ジャケットやノンリップのトラウザーズには同様のパーツはないので、ガスフラップではないと思います。よって、スペシャルウォーフェアトラウザーズのこのパーツもガスフラップではなく、何か熱帯で使用するために考慮されたパーツかもしれません。

前合わせは5つボタンによるボタンフライとなっています。

1stタイプのユーティリティトラウザーズと同様にサイズ調整用のボタンタブが付いています。

サイズも1stタイプのユーティリティトラウザーズと同様にSMALL、MEDIUM、LARGEの3種類のようです。

ラベル表記のとおりコットンポプリン製となっています。名称が「TROUSERS, MEN’S, COTTON POPLIN, OLIVE GREEN 107 TYPE II, CLASS II」となっていますが、名前にSpecial_Warfareを含むものあるようです。
こちらの記事も参考にどうぞ。
米軍T53-1テストサンプルライトウェイトジャケット
米軍T54-4テストサンプルブッシュジャケット
米軍ライトウェイトジャケット&トラウザーズ
スペシャルウォーフェアパンツは1960年代初期に米軍で試験された熱帯用の戦闘服です。これとあわせて着用されるスペシャルウォーフェアジャケットを入手してから、一緒に紹介しようと思っていたのですが、リクエストがあったので今回パンツだけで紹介することにしました。
1960年から米軍では熱帯用戦闘服の研究が始まります。このときT61-3、T64-4などと呼ばれるタイプのものが試作され、これらがスペシャルウォーフェアジャケット&トラウザーズとして試験採用されました。これらはベトナムへ送られて軍事顧問や特殊部隊に1965年ごろまで使用されたようです。しかし、1962年にジャングルファティーグの試作が始まったことを受けて、スペシャルウォーフェアジャケット&トラウザーズの開発と生産は終了しました。

こちらの写真で着用されているのはT61-3とされていますが、半袖に改造したユーティリティシャツと普通のユーティリティトラウザーズを着ているようにしか見えません。1964年の写真で、着用者はグリーンベレー所属とのことです。
M42エアボーンジャケットを参考にしたジャングルファティーグとは違い、スペシャルウォーフェアジャケット&トラウザーズは当時のOG-107ユーティリティユニフォームの1stタイプをかなり参考にしていました。今回紹介するスペシャルウォーフェアトラウザーズも一見普通のユーティリティトラウザーズなのですが・・・。


このように裾にドローコードが入っています。
もう1つの特徴がガスフラップと思われるトラウザーズ内側のパーツです。ガスフラップと「思われる」であって、ガスフラップと断定しない理由ですが、ウッドランド迷彩のBDUトラウザーズで夏季・熱帯用のリップストップ生地のモデルによく似たパーツがあるからです。ウッドランド迷彩のBDUでこのパーツがあるのはリップストップ生地のトラウザーズだけで、ジャケットやノンリップのトラウザーズには同様のパーツはないので、ガスフラップではないと思います。よって、スペシャルウォーフェアトラウザーズのこのパーツもガスフラップではなく、何か熱帯で使用するために考慮されたパーツかもしれません。
前合わせは5つボタンによるボタンフライとなっています。
1stタイプのユーティリティトラウザーズと同様にサイズ調整用のボタンタブが付いています。
サイズも1stタイプのユーティリティトラウザーズと同様にSMALL、MEDIUM、LARGEの3種類のようです。
ラベル表記のとおりコットンポプリン製となっています。名称が「TROUSERS, MEN’S, COTTON POPLIN, OLIVE GREEN 107 TYPE II, CLASS II」となっていますが、名前にSpecial_Warfareを含むものあるようです。
こちらの記事も参考にどうぞ。
米軍T53-1テストサンプルライトウェイトジャケット
米軍T54-4テストサンプルブッシュジャケット
米軍ライトウェイトジャケット&トラウザーズ

米陸軍特殊部隊群パッチ付きリーフ迷彩ジャケット
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット
米軍手描き迷彩のジャングルファティーグ その3
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rd&4thタイプその2
米陸軍特殊部隊群パッチ付きジャングルファティーグ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きユーティリティシャツ
米陸軍特殊部隊群パッチ付きヌードルパターン迷彩ジャケット
米軍手描き迷彩のジャングルファティーグ その3
米軍徽章付きユーティリティシャツ3rd&4thタイプその2
いやはや実物をお持ちとは!!スゴイの一言です!!上着の紹介も楽しみです!!
こんなに間近で詳細な画像を見るのは初めてです。感激しました!
「ガスフラップのようなパーツ」の存在は知りませんでした。驚きです!!!過去に、実物をお持ちの方々に質問させて頂いた際にも、どなたもこれには触れておられなかったので…ジャングルファティーグジャケットのガスフラップ同様に、実際の着用においては切り取られて使用されることが多い為なのでしょうかね?
ラベル表記についてですが、私はジャケットでは「SPECIAL WARFARE~」、トラウザーズでは「~OG-107 TYPEⅡ CLASSⅡ」表記の物しか見たことがありません(勿論、写真でのみです)。一説ではジャケット、トラウザーズ共に初めは前者の表記(テストサンプル?)で、後者の表記に変わってから制式官給された、と聞いたことがあります。また、画像の関係かもしれませんがトラウザーズのボタンにはOD-7ユティリティのボタンと同じ茶色系と、後のユニフォームの緑色系があるような気がします。
今回は貴重な資料を拝見させて頂き、誠に有り難うございました!
>イッシー様
コメントありがとうございます!そうです、あれの実物品ということになりますね。このようなマイナーな服のレプリカが作られているのが不思議です。
ジャケットの方も入手したら、すぐにでも紹介させて頂きます!しかし、欲張って、ラベル判読可能でパーツ欠品無しでパッチ付きのものを探しているのでいつの入手になるかは分かりません・・・w
>汎用服男様
いえいえ、お役に立てて良かったです。答えられる範囲であれば、なるべくリクエストにはお答えしたいと思っていますし。
ガスフラップのようなパーツについては自分も入手するまで知りませんでした。リップストップ生地のウッドランドBDUトラウザーズでも同様のパーツは外されていることがありますし、スペシャルウォーフェアジャケットやジャングルファティーグやM43ユーティリティシャツでもガスフラップがよく外されているので、やはり邪魔で外されることが多いのではないでしょうか。
ラベル表記についてですが、自分もこの目で(とはいっても写真ですが)確認したものの場合、ジャケットは「SPECIAL WARFARE~」、トラウザーズは「~OG-107 TYPEⅡ CLASSⅡ」だけです。もし、初期のものが前者の表記で、後期のものが後者の表記だとすると「TYPEII CLASSII」という名称にも納得がいきます。
生産時期からすると、仰るとおりボタンの色も茶色系と緑系があっても不思議はありませんね。自分のものは茶色系となっています。
今後も色々と紹介していきますので、よろしくお願い致します!